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GX・脱炭素

カーボンプライシングとは?日本の導入状況や化石燃料賦課金との関係を簡単に解説

近年、テレビのニュースやビジネスの現場などで「カーボンプライシング」という言葉を耳にする機会が増えてきました。なんとなく環境や脱炭素に関係する言葉だとは分かっていても、「具体的にどういう仕組みなのか」「なぜ今、これほど世界中で注目されているのか」といった疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、カーボンプライシングが導入される目的や仕組み、具体的な種類、さらには企業が自主的に取り組む最新のトレンドまで、専門知識がない初心者の方でもすんなりと理解できるように、分かりやすく丁寧に解説していきます。

カーボンプライシングとは?目的や種類をわかりやすく簡単に解説

カーボンプライシングを一言で表現すると、「二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスに『価格(値段)』をつける仕組み」のことを言います。

これまでの社会では、工場を動かしたり自動車を走らせたりしてどれだけ大量のCO2を空気中に排出しても、その排出行為そのものに直接お金がかかることはありませんでした。

しかし、この「誰でも無料でCO2を出し放題だった状態」こそが、地球温暖化を急激に進行させる大きな原因になってしまったのです。

そこで、CO2を排出することに対して相応の金銭的な負担(コスト)を求める仕組みを作ったのがカーボンプライシングの仕組みです。「炭素を出すとお金がかかる」という状況を作ることで、企業や個人の行動を「できるだけCO2を出さない方向」へと自然に、かつ強力に促していくのがこの制度の狙いです。

カーボンプライシングを実施する目的

国や地域がカーボンプライシングを導入する最大の目的は、「地球温暖化の防止(脱炭素社会・カーボンニュートラルの実現)」にあります。

私たちが今目指しているのは、世界全体の温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の達成です。これを実現するためには、従来の社会全体のエネルギーの使い方や、ビジネスのあり方を根底から変えなければなりません。

カーボンプライシングには、主に以下のような効果や目的が期待されています。

CO2を減らす工夫が「お得」になる仕組みづくり

これまでは、環境に良い高価な省エネ設備を導入することは、企業にとって「単なるコスト負担」になりがちでした。しかし、カーボンプライシングが導入されると、CO2を出すこと自体に大きなコストがかかるようになります。

すると、企業は「税金や負担金を払い続けるくらいなら、今のうちに新しい省エネ設備を導入したり、再生可能エネルギーに切り替えたりした方が、長期的にはずっと安上がりで経済的にお得だ」と判断できるようになります。結果として、企業の自主的な削減努力が社会全体で一気に加速します。

環境に優しい革新的な技術や製品の発展

環境への負荷が少ない製品やサービスが市場で選ばれやすくなるため、自動車の電動化や、水素エネルギー、CO2を回収して再利用する技術といった、エコな技術開発への投資が活発になります。これまで「コストが高すぎて実用化できない」と諦められていた未来の技術に、たくさんのお金が集まるようになります。

社会全体の意識改革と「見える化」

「目に見えない無色透明な気体」だったCO2が、お金という「誰もが直感的に理解できる数字」に換算されるようになります。これにより、企業の経営層はもちろんのこと、私たち一般の消費者の間でも「環境に配慮された製品を選ぼう」という意識が日々の生活の中で自然と育まれていきます。

カーボンプライシングの種類

一口にカーボンプライシングと言っても、そのアプローチ方法や仕組みによっていくつかの種類に分けることができます。

国や地域が法律に基づいて主導する「明示的」なものと「暗示的」なもの、そして企業が自主的なルールに基づいて取り組むものに分類されます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

明示的カーボンプライシング|炭素税・排出量取引

明示的(めいじてき)カーボンプライシングとは、排出された、あるいは削減されたCO2に対して、文字通り直接的に「1トンあたり〇〇円」といった明確な価格をダイレクトに設定する手法です。

世界的に見ても最も主流な施策であり、代表的なものとして「炭素税」と「排出量取引制度」の2つが挙げられます。「炭素税」は、化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)の購入量や、実際のCO2排出量に応じて、政府が一定の税率を課す税金制度です。金額が「1トンあたり〇〇円」とあらかじめ固定されているため、企業にとっては将来かかるコストの予測が立てやすく、経営計画に組み込みやすいというメリットがあります。

一方の「排出量取引制度」は、政府が社会全体や産業ごとに「これ以上のCO2を出してはいけない」という全体の排出枠をはじめに設定します。その上で、各企業にそれぞれ「あなたの会社が出していい枠はここまで」と上限を割り当てます。

もし自社の努力でCO2を大幅に削減でき、割り当てられた枠が余った場合は、その余った枠を「排出権」として、上限を超えそうで困っている他の企業に市場で売却(トレード)することができます。このように、炭素に直接値段をつけて市場でやり取りさせるのが明示的な手法です。

暗示的カーボンプライシング|エネルギー課税・FIT制度・補助金・税制の優遇措置

暗示的(あんじてき)カーボンプライシングとは、その制度の名目や名前に「炭素」や「CO2」という言葉が入っていなくても、結果として「CO2の排出を抑える効果」や「クリーンなエネルギーを普及させる効果」を持っており、実質的に炭素へ価格を課しているのと同じような役割を果たす政策全般のことです。

身近な例で言うと、私たちが普段ガソリンスタンドで支払っているガソリン税(揮発油税)や、石油石炭税などの既存の「エネルギー課税」がこれに該当します。これらは税金が高くなることで燃料の消費を抑えるブレーキとして働くため、暗示的な炭素価格として機能しています。

さらに、再生可能エネルギー(太陽光や風力など)で発電した電気を国が一定期間固定の価格で買い取ることを保証する「FIT制度」も含まれます。この制度を維持するための費用は、日々の電気料金に上乗せされて社会全体で負担しているため、化石燃料の価値を相対的に下げる効果を持っています。

その他にも、省エネ性能に優れた設備を工場に導入する際にもらえる「補助金」や、脱炭素投資を行った企業の税金を安くする「税制の優遇措置」も暗示的カーボンプライシングの重要な仲間です。これらは「CO2を多く出すこれまでのやり方」のコストを相対的に高くし、環境に優しい選択を経済的に有利にするサポートをしています。

インターナルカーボンプライシング|企業が独自に設定する炭素価格

インターナルカーボンプライシング(ICP: Internal Carbon Pricing)とは、政府や法律から強制されて行うものではなく、「企業が自社の判断で、独自に社内専用の炭素価格を設定する仕組み」のことです。近年、環境先進企業やグローバル企業を中心に導入が急増しています。

具体的には、企業が新しい工場を建てたり、社内の設備を買い替えたりする投資の判断を行う際に、その投資によって将来排出されると予想されるCO2の量に対して、仮のコスト(例:1トンあたり1万円など)をあらかじめ掛け合わせ、費用対効果の計算に組み込みます。

例えば、目先の購入費用(初期投資)だけで見れば、従来の古いタイプの設備の方が安く見えるかもしれません。しかし、インターナルカーボンプライシングのルールを適用して「将来出すCO2のペナルティ料金」をあらかじめ計算してみると、初期投資は少し高くても省エネ性能が抜群に良い最新設備を選んだ方が、結果的に会社全体の総コストが低くなるといった逆転現象が社内で可視化できるようになります。

将来、政府による炭素税の増税や新しい環境規制が始まったとしても、慌てずに済むような「強い会社」を作るためのリスク管理ツールとして、経営の現場で非常に重視されるようになっています。

ボランタリークレジットとは?企業が自主的に取引するカーボンクレジット

カーボンプライシングの周辺で、最近特によく耳にするようになったのが「ボランタリークレジット」という言葉です。これは、国や地域が法律で参加を義務付けている公式な市場(コンプライアンス市場)とは異なり、民間の企業やNGO、民間団体などが自主的に運営・認証しているカーボンクレジット(炭素の削減価値を商品化したもの)のことを指します。

「ボランタリー(Voluntary)」という名前の通り、あくまで企業が「自主的・ボランティア的」に取引を行うのが大きな特徴です。世界的には「Verra(ヴェラ)」や「Gold Standard(ゴールドスタンダード)」といった民間基準、日本国内であれば国の認証制度である「J-クレジット制度」の一部などが広く知られています。

具体的な仕組みとしては、地方での植林活動や森林保護、あるいは途上国での再生可能エネルギー導入プロジェクトなどによって「これだけのCO2が削減・吸収されました」という実績を第三者機関が認め、クレジットとして発行します。

企業は、自社の企業活動の中でどうしても減らしきれなかった分のCO2排出量を、このクレジットを購入することで帳消し(オフセット)にすることができます。法律による罰則がないにもかかわらず、多くの企業がボランタリークレジットを購入しているのは、地球環境に貢献している姿勢をアピールすることで、企業のブランド価値を高めたり、投資家や消費者からの信頼を獲得したりするためです。民間主導で新しいお金の循環を生み出す仕組みとして、今非常に期待を集めています。

日本のカーボンプライシングはいつから?化石燃料賦課金の導入状況や価格制度を解説

世界中で導入が進むカーボンプライシングですが、「日本ではいつから始まっているのだろう?」「これから私たちの生活やビジネスはどう変わるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

実は、日本におけるカーボンプライシングの歴史はすでに始まっており、さらに今、未来に向けて非常に大きな制度の変わり目を迎えています。

国は現在、「GX(グリーントランスフォーメーション:環境に優しい経済への転換)」を進めるため、独自の新しい仕組みを段階的にスタートさせようとしています。これまでの歩みと、これから導入される注目の制度について、過去から未来への流れに沿って分かりやすく解説します。

2012年に地球温暖化対策税(炭素税)が導入された

日本の明示的カーボンプライシングの第一歩は、今から10年以上前の2012年(平成24年)10月にまで遡ります。このとき導入されたのが「地球温暖化対策税」です。

これは、日本における「炭素税」の役割を果たしている仕組みです。石油や天然ガス、石炭といった化石燃料を輸入する段階などで、それぞれのCO2排出量に応じた税金(1トンあたり289円)が上乗せされる形で徴収されています。

私たちが普段使っている電気料金やガソリン代の中にも、実はこの税金が含まれています。ただ、現在の日本の炭素税は、諸外国(ヨーロッパの国々などでは1トンあたり数千円〜1万円を超えるところもあります)に比べると税率がかなり低く抑えられているため、これまで企業や私たちの生活の中で「炭素の重み」を直接実感する機会はそれほど多くありませんでした。

2023年にGX実現に向けた基本方針が閣議決定された

次に大きな転換期となったのが2023年(令和5年)2月です。政府は、日本の経済構造を化石燃料中心のものからクリーンエネルギー中心へと大きく変えるため、「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定しました。

この方針の中で、日本独自の新しいカーボンプライシングの青写真である「成長志向型カーボンプライシング構想」が打ち出されました。

これは単に企業にペナルティ(負担)を課すだけでなく、企業が前向きに脱炭素投資(エコな設備への買い替えなど)を早く行えば行うほど、将来のコスト負担が軽くなって得をするという、日本の経済成長を応援するための仕組みです。この方針が決まったことで、日本は本格的な脱炭素社会に向けて一気に舵を切ることになりました。

【2026年度現在】排出量取引制度が本格導入

2023年から始まった試行期間(第1フェーズ)を経て、2026年度から第2フェーズへ移行し、排出量取引制度の本格運用が開始されています。

第1フェーズでは企業の自主的な参加が中心でしたが、第2フェーズでは、前年度までの3年間平均で年間CO2直接排出量が10万トン以上の事業者を対象に、制度への参加や各種届出、排出実績の報告、排出枠の保有などが法律に基づく義務となっています。

制度対象となる事業者は、毎年度の排出実績量と同量の排出枠を保有する必要があります。排出枠が不足した場合は、市場で他の事業者から排出枠を調達しなければならず、CO2排出量の削減が企業のコストや経営に直接影響する仕組みとなっています。これにより、日本でも本格的なカーボンプライシングが始まりました。

2028年度頃から導入予定の炭素賦課金と排出権取引について

さらにその先、2028年度頃からは「化石燃料賦課金(炭素賦課金)」の導入が予定されています。

ここで多くの方が「カーボンプライシングと化石燃料賦課金って何が違うの?」と混乱してしまいがちですが、結論から言うと、化石燃料賦課金はカーボンプライシングという大きな枠組みを構成する、具体的な制度(手段)の一つです。

2028年度からは、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料を日本に輸入する商社や電力・ガス会社などの「輸入事業者」に対して、その燃料に含まれる炭素の量に応じた金銭的な負担(賦課金)が義務付けられます。

「炭素税」と「化石燃料賦課金(炭素賦課金)」の違いとは?

どちらも「CO2を出す化石燃料にコストをかける」という目的や中身はほぼ同じですが、「法律上の扱い(お金の集め方と使い道)」に大きな違いがあります。

  • 炭素税(租税) 国税庁などが集める「税金」です。税率を変更したり新しく法律を変えたりするためには、国会での厳しい審議と承認(法律の改正)が毎回必要になります。また、集まったお金は国の一般的な財源などとして広く使われます。
  • 化石燃料賦課金(負担金・賦課金) 特定の目的(日本の脱炭素化の推進)のために、特定の事業者から集める「負担金」です。税金とは異なるため、経済の状況や企業の削減状況に合わせて、政令などで柔軟に金額をコントロールしやすいという特徴があります。さらに、集まったお金は「GX経済移行債」という、国が事前に企業の脱炭素投資を支援するために発行した資金の払い戻し(償還)などに直接充てられる仕組みになっています。

 

このように、2012年の「炭素税」から始まり、2026年度の「排出量取引の義務化」、そして2028年度の「化石燃料賦課金」へと、日本は段階的にカーボンプライシングの網の目を広げています。これらは全て、社会全体で最も効率よくCO2を減らし、未来のクリーンな経済を作るためにバトンを繋ぐように設計された、一連の重要な制度なのです。

カーボンプライシングのメリットとは?企業や社会にもたらす効果6選

カーボンプライシングは、企業に対して「お金の負担を強いるだけの制度」と受け取られがちですが、決してそうではありません。

経済産業省や環境省の資料でも、社会全体の仕組みを環境に優しい形へアップデートし、長期的には企業の成長や新しいビジネスチャンスを生み出すための「強力な起爆剤」として位置付けられています。どのようなメリットや効果があるのか、公式のエビデンスを交えて解説します。

CO2排出量の削減を促し、気候変動対策に貢献できる

最大のメリットは、地球温暖化の主因であるCO2をはじめとした温室効果ガスの排出量を、社会全体で確実に減らせる点です。

「環境を守ろう」という個人の善意や企業のボランティア精神だけに頼るのには限界があります。しかし、カーボンプライシングによって「CO2を出す=コストがかかる(損をする)」「CO2を減らす=コストが浮く(得をする)」という明確な経済のルールができると、あらゆる企業が合理的な経営判断として、必死に排出量を減らすようになります。

参照元: 環境省「カーボンプライシングの意義等について」

脱炭素技術の普及やグリーン投資を促進する

炭素に値段がつくことで、これまで「研究開発にお金がかかりすぎる」「需要が少ない」と実用化が見送られていたクリーンな技術や再生可能エネルギーへの投資が一気に活発になります。

投資家や金融機関も、将来的に炭素コストがかさむ化石燃料依存の企業を避け、脱炭素に強みを持つ企業へ優先的に資金を供給するようになります(グリーン投資・サステナブルファイナンスの拡大)。

企業側も、将来の炭素税や賦課金の負担を見越して、次世代の省エネ設備や水素・アンモニアエネルギー、CO2を回収して再利用する技術(CCUS)などへの投資を前倒しで進めるようになります。これにより、社会全体の技術革新(イノベーション)のスピードが劇的に向上します。

参照元: 資源エネルギー庁「脱炭素に向けて各国が取り組む『カーボンプライシング』とは?」

排出削減によるコスト削減や収益機会の創出につながる

企業にとって、カーボンプライシングに対応することは、結果として「無駄なエネルギー消費を徹底的に排除する」ことにつながります。

初期投資をして省エネ設備を導入したり、社内の製造プロセスを見直したりすることは、短期的には出費を伴いますが、長期的には電気代や燃料費といったランニングコストの大幅な削減をもたらします。

さらに、自社で削減して余った「排出枠」や、再エネ導入で生まれた「カーボンクレジット」を市場で売却することで、環境対策そのものを新しい「収益の柱」に変えることも可能です。ただのコストだった環境対策が、企業の利益を生み出すチャンスへと変化します。

企業や消費者の環境意識向上を後押しできる

「目に見えない気体」であるCO2をお金という「誰もが直感的に理解できる数字」に変えることで、社会全体の意識がガラリと変わります。

企業側は、決算書や経営計画の中で「炭素コスト」を無視できなくなるため、経営のトップから現場の社員までが一体となって脱炭素に取り組むようになります。

また、カーボンプライシングの影響が製品やサービスの価格に適正に反映されるようになると、私たち消費者も「少し高くても、CO2排出量が少ない環境に優しい商品を選ぼう」という選択がしやすくなります。このように、社会のバリューチェーン全体で環境意識の底上げが無理なく進んでいきます。

環境保護やGX推進に向けた財源確保に貢献する

国や自治体が「炭素税」や「化石燃料賦課金」などを通じて集めた資金は、そのまま次の脱炭素社会を作るための貴重な財源(お金)になります。

例えば、集まった資金を以下のような用途に循環させることができます。

参照元: 経済産業省「GX実現に向けた基本方針の概要」

新たな市場創出や企業競争力の強化につながる

カーボンプライシングは、これまでの古い産業構造を塗り替え、まったく新しいクリーンな市場(マーケット)を生み出します。

環境対策にいち早く取り組み、CO2排出量の少ない製品を製造できるようになった企業は、グローバル市場における競争力が圧倒的に高まります。現在、世界の多くのトップ企業(Appleなど)は、自社のサプライチェーン(取引先)に対しても脱炭素を強く求めているため、これに応えることが生き残り戦略になります。

参照元: 経済産業省「GX(グリーントランスフォーメーション)」

カーボンプライシングのデメリット・課題とは?企業負担や価格上昇の影響について

環境対策や新しい経済成長の切り札として期待されるカーボンプライシングですが、決して良いことばかりではありません。炭素に値段をつけるというこれまでにない大変革を行うため、社会や企業には少なからず痛みや乗り越えるべき課題が生じます。

国(経済産業省や環境省)もこれらのリスクを認識しており、いかに悪影響を抑えるかが制度設計の焦点となっています。どのようなデメリットや課題があるのか解説します。

企業や行政の運用負担が増加する可能性がある

カーボンプライシングを正しく機能させるためには、企業が「自社でどれだけのCO2を出しているか」を1トン単位で正確に把握(算定)し、国などに報告しなければなりません。

これには、専門的な知識を持った人材の確保や、排出量を計算するための新しいシステムの導入が必要となり、特にリソースの限られた中小企業にとっては小さくない事務負担やコスト(運用負担)になります

また、行政(国や自治体)の側にとっても、企業から提出されたデータが本当に正しいかどうかをチェック・監査したり、複雑な取引市場を監視・管理したりするための莫大な組織運営コストや人手が必要になります。

エネルギー価格や商品価格が上昇することがある

炭素税や賦課金が化石燃料(石油・石炭・天然ガスなど)に課されると、それを使って電気やガスを作っているエネルギー企業のコストが上がります。この上昇したコストは、最終的に私たちの毎月の電気料金やガス代、ガソリン代などに上乗せされる形で跳ね返ってきます。

さらに、あらゆる製品は製造や輸送の過程で多かれ少なかれエネルギーを使っているため、電気代などの高騰は食品や日用品といった身近な商品全体の価格上昇(物価高)を招く原因にもなります。環境を守るための制度が、家計を直接圧迫してしまうという側面を持っています。

低所得層や特定産業に負担が集中する恐れがある

カーボンプライシングによるエネルギー価格の上昇は、社会全体に平等に影響するわけではありません。

電気代やガス代などの生活必需品にかかるお金は、収入の高さに関わらず最低限必要な額はそれほど変わりません。そのため、物価が上がると、収入に対する負担の割合は「低所得層」ほど大きくなってしまいます(これを経済学で「逆進性(ぎゃくしんせい)」の問題と呼びます)。

また、ビジネスの面でも、IT企業などのCO2をあまり出さない産業に比べて、鉄鋼や化学、セメント、運輸(トラックや飛行機)といった「どうしても大量の化石燃料を使わざるを得ない特定の多排出産業」にばかり莫大な負担が集中してしまい、不公平感が生まれやすいという課題もあります。

カーボンリーケージが発生する可能性がある

カーボンプライシングの大きな落とし穴と言われているのが、この「カーボンリーケージ(炭素の漏出)」という現象です。

例えば、日本が国内の企業に対して非常に厳しい炭素税や排出量取引ルールを課したとします。すると、コスト負担に耐えかねた日本の工場が、規制の緩い海外の国(発展途上国など)へ拠点を丸ごと移転させてしまうケースが考えられます。

これが発生すると、日本国内のCO2排出量は減るかもしれませんが、移転先の国でその分CO2が出続けるため、地球全体で見れば温室効果ガスは1ミリも減っていないということになります。それどころか、日本国内の雇用が失われ、経済が衰退するだけという最悪の結果になりかねません。

参照元: 資源エネルギー庁「脱炭素に向けて各国が取り組む『カーボンプライシング』とは?」

国際競争力が低下する可能性がある

上記のカーボンリーケージとも深く関係しますが、厳しい環境規制がある国の企業は、規制がない国や緩い国のライバル企業に比べて、製品の製造コストがどうしても高くなってしまいます。

同じ性能の製品であれば、市場では価格が安い方が選ばれやすいため、カーボンプライシングを真面目に導入している国の企業ほど、グローバル市場での価格競争で不利になり、国際競争力が低下してしまうリスクがあります。

この不平等を防ぐために、ヨーロッパなどでは輸入品に事実上の関税をかける「国境炭素調整措置(CBAM)」などの対策が始まっていますが、こうした新たな貿易摩擦やルールの押し付け合いが国際的な火種になることもあります。

炭素価格の変動が経営リスクにつながることがある

特に「排出量取引制度」を導入する場合、炭素の価格(排出枠の値段)は、株価や為替と同じように市場の需要と供給のバランスによって日々激しく変動します。

景気が良くなって世の中の工場が一斉に動き出せば、排出枠が足りなくなって炭素価格が急騰しますし、逆に不景気になれば暴落します。

企業にとっては、「来年、自社のCO2排出量に対してどれくらいのコストがかかるのか」を予測することが非常に難しくなります。炭素価格の激しいアップダウンそのものが、企業の将来を見通す上での新たな「経営リスク」になってしまうのです。

CO2排出量が確実に削減されるとは限らない

お金を払えばCO2を出してもいいという仕組みである以上、制度の設計が甘いと、思ったように削減が進まないことがあります。

例えば、企業の業績が非常に絶好調で大きな利益が出ている場合、企業は「わざわざ高いお金を払って省エネ設備を入れるよりも、炭素税をそのまま払って今まで通り工場を回した方が手っ取り早い」と判断してしまう可能性があります。

また、排出量取引制度において、政府が企業へ配る最初の排出枠(上限)を甘く設定しすぎてしまうと、市場に枠が余り散らかして炭素の価格がほぼゼロになってしまい、誰もCO2を減らそうとしなくなるという失敗例が、過去に海外の初期の市場で見られました。

制度の構築に時間とコストがかかる

カーボンプライシングは、経済や社会の根幹にメスを入れる複雑な制度です。そのため、実際にスタートするまでに、政府、産業界、学識経験者、消費者団体などが何年もかけて議論を重ねる必要があり、制度の設計そのものに莫大な時間とコストがかかります。

「公平なルールにするにはどうすべきか」「どの産業を優遇すべきか」「集めたお金を何に使うか」といった利害関係の調整(合意形成)が非常に難しく、議論が長引いている間に、地球温暖化対策としての手遅れ感(タイムロス)が生じてしまうという点も、隠れた大きな課題と言えます。

炭素税を導入している国は?カーボンプライシング先進国の事例を解説

カーボンプライシングは世界各国で導入が進められていますが、その制度設計や炭素価格は国によって大きく異なります。

環境への意識が高いヨーロッパだけでなく、アジアや北米でも独自のルール作りが進んでいます。炭素税や排出量取引制度の代表的な先進事例として、5つの国と地域の取り組みを見ていきましょう。

スウェーデン|世界最高水準の炭素税を導入

スウェーデンは、1991年という極めて早い段階から炭素税を導入している環境先進国です。

特徴はその「価格の高さ」にあります。税率は段階的に引き上げられ、現在は1トンあたり1万円を大きく超える世界最高水準の炭素税を課しています。これほど高い税率でありながら、国の経済(GDP)もしっかりと成長させており、環境対策と経済成長を両立できることを証明した世界の模範事例となっています。

参照元: 環境省「諸外国におけるカーボンプライシングの進捗状況

カナダ|全国規模で炭素価格制度を導入

カナダでは、2019年から国全体で統一された画期的な炭素価格制度(連邦バックストップ制度)が導入されています。

これは、国が「最低限の炭素価格ルール」を決め、独自の制度を持たない州に対して国が強制的に炭素税や排出量取引を適用する仕組みです。また、集まった税収の大部分を「家庭へ還付金(一律給付)として払い戻す」というユニークな工夫を行っており、国民の経済的な負担感を和らげる工夫が特徴です。

EU|排出量取引制度(EU ETS)を運用

欧州連合(EU)は、2005年から世界にさきがけて「EU ETS」と呼ばれる大規模な排出量取引制度を運用しています。

発電所や大規模な工場などを対象に、域内全体の排出枠の上限(キャップ)を決め、企業間で枠を売買させています。さらにEUは、環境規制の緩い国からの輸入品に対して事実上の炭素関税を課す「国境炭素調整措置(CBAM)」の運用を進めるなど、世界の脱炭素ルールをリードし続けています。

参照元: 環境省「カーボンプライシングの意義等について」(PDF)

中国|世界最大規模の排出量取引制度を導入

世界最大のCO2排出国である中国も、2021年から全国規模の排出量取引制度(全国炭素排出権取引市場)を本格スタートさせています。

まずは排出量の多い「電力セクター(火力発電所など)」から対象とし、それだけでもカバーするCO2の量は世界最大規模に達しています。今後は鉄鋼や化学といった他の産業へも対象を広げる計画が進んでおり、巨大市場の動向が世界の炭素価格に大きな影響を与えています。

シンガポール|アジアで先進的な炭素税を導入

シンガポールは、2019年に東南アジア(ASEAN)で初めてとなる「炭素税」を導入しました。

対象は一定以上のCO2を排出する大規模な工場や施設で、当初は1トンあたり5シンガポールドル(約500円程度)という低い税率からスタートしました。しかし、脱炭素を急ぐため、段階的に税率を引き上げる計画を前倒しで進めており、アジアにおける環境金融のハブ(中心地)を目指す姿勢を明確にしています。

各国で制度設計や炭素価格は大きく異なる

このように、世界の事例を見ても、数千円〜1万円を超える高い価格を設定する国から、まずは低い価格で始めて徐々に慣らしていく国まで、アプローチは一様ではありません。

税金として集める「炭素税」が良いのか、市場に任せる「排出量取引」が良いのかは、その国の産業構造や国民性によっても異なります。日本が現在進めている独自の「成長志向型カーボンプライシング」も、これら世界の成功例や失敗例を徹底的に分析した上で、日本の経済成長を邪魔しないように設計された最新のカタチなのです。

カーボンプライシング時代に企業が取り組むべき脱炭素施策の例とは?今後求められる5つの対応

日本でも排出量取引の本格化や化石燃料賦課金の導入が迫る中、企業にとって脱炭素化は「余裕があれば取り組むボランティア」ではなく、「会社の生き残りをかけた必須の経営戦略」へと変化しています。

炭素に値段がつくこれからの時代、企業は具体的にどのような一手を打つべきなのでしょうか。今すぐ始められる身近な工夫から、将来を見据えた本格的な仕組みづくりまで、今後求められる5つの重要な対応を分かりやすく解説します。

社内で使用する電力を再生可能エネルギーへ切り替える

企業が最も確実、かつスピーディーにCO2排出量を減らす方法の一つが、日々のビジネスで使用する電気を「再生可能エネルギー(再エネ)」に切り替えることです。

これまでは火力発電などで作られた通常の電気を使うのが当たり前でしたが、これを太陽光、風力、水力、地熱といった、発電時にCO2を出さないクリーンな電気へとシフトしていきます。

具体的には、電力会社が提供している「再エネ100%プラン」などの環境に配慮した料金メニューへ契約を変更するアプローチが一般的です。また、資金に余裕がある場合は、自社の工場の屋根や本社の敷地内に太陽光パネルを設置し、自分たちで使う電気を自分たちで作る「自家消費型」の導入も非常に有効な手段として注目されています。

参照元: 環境省「中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック」(PDF)

省エネルギー設備や技術を導入して電力消費を削減する

電気をクリーンなものに変えるのと同時に、使う電気の「量」そのものを徹底的に減らす(省エネ)ことも基本でありながら強力な対策です。

多くの電力を消費している古い工場設備や、オフィスの空調(エアコン)、照明などを、エネルギー効率の優れた最新の省エネ設備へと買い替えていきます。例えば、オフィスの照明をすべてLEDに変えるだけでも、長期的には大きな消費電力の削減につながります。

初期投資としてある程度の費用はかかりますが、カーボンプライシングが進むと「CO2を多く出す設備を使い続けるコスト」のほうが結果的に高くつくようになります。今のうちに省エネ化を進めることは、将来の炭素コストを抑え、毎月の電気代という固定費を下げるという、企業にとって二重のメリットをもたらします。

テレワークやオフィス運用の見直しでエネルギー使用量を抑える

大がかりな設備投資をしなくても、日々の働き方やオフィスの「運用のルール」を見直すだけで、今すぐエネルギー消費を抑えることは可能です。

その代表例がテレワーク(在宅勤務)の積極的な活用です。社員が出社する頻度が減れば、オフィス全体で使う照明や空調のパワーを抑えることができ、会社全体のエネルギー使用量を直接的に削減できます。

また、オフィスの床面積そのものを適正なサイズに縮小(ダウンサイジング)したり、使っていないエリアの電気をこまめに消すといった地道な取り組みも効果的です。さらに、社内の書類を完全にペーパーレス化(電子化)すれば、複合機の電気代や紙の製造・輸送にかかるCO2を間接的に減らすことにも繋がります。

参照元: 国土交通省「テレワーク」情報ページ

サプライチェーン全体でCO2排出量の削減に取り組む

これからのカーボンプライシング時代、企業は「自社が直接出すCO2」だけを気にしていればいいわけではありません。原材料の調達から、製造、輸送、販売、さらには製品が廃棄されるまでに至る、ビジネスのバリューチェーン全体の排出量(サプライチェーン排出量)に目を向ける必要があります。

現在、世界のトップ企業や国内の大企業は、取引先の中小企業に対しても「脱炭素に取り組んでいない企業とは、今後一切取引をしない」という厳しい方針を打ち出し始めています。

そのため、自社が選ばれ続ける企業であるためには、部品の配送ルートを見直してトラックの燃料を減らしたり、環境に配慮した素材で作られた原材料を選んで仕入れたりするなど、パートナー企業とも協力しながら、繋がり全体でCO2を減らしていく姿勢が不可欠です。

参照元: 環境省・経済産業省「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」

インターナルカーボンプライシング(ICP)を導入してリスクを管理する

今後企業に強く求められる5つ目の対応が、前の章でも触れた「インターナルカーボンプライシング(社内炭素価格)」の仕組みを社内に取り入れることです。

これは、政府から強制される前に、企業自らが「我が社では、CO2を1トン出すごとに〇〇円の架空のペナルティ料金がかかるものとする」という独自の社内ルールを決めてしまう先進的な試みです。

このルールをあらかじめ決めておくと、例えば新しい設備を購入する会議の席で、「一見すると安いけれどCO2を多く出す古い機械」と、「少し高いけれどCO2を全く出さない新型の機械」を比べた際、将来の炭素コストを計算に上乗せして『本当に会社にとって得なのはどちらか』を正しく見極められるようになります。

将来、国の炭素税が引き上げられたり、厳しい環境規制が始まったりしたときにも、慌てずに経営を続けられる「ブレない土台」を作るための先見の明を持ったリスク管理として、多くの企業で導入が急がれています。

GX事業は「全体最適」の時代へ!アイ・グリッド・ソリューションズが描く未来のGXソリューション

日本のカーボンプライシング本格化に伴い、企業にはCO2削減と経済性の両立が強く求められています。従来の個別拠点における太陽光パネル設置などの「部分最適」では、天候による再エネ発電量と電力需要の「ズレ」が生じ、経済的ロスに直結してしまいます。

そのため、これからのGXは「創エネ」「蓄エネ」「省エネ」をAIやデジタル技術で一体制御し、無駄をなくす「全体最適」の視点が不可欠です。この全体最適を推進するアイ・グリッド・ソリューションズは、国内最大級の流通・小売業向けオンサイト太陽光発電(PPA)実績を強みに次世代ソリューションを描いています。

最先端のAIで発電量と需要を高度に予測して蓄電池と連動させるほか、複数の商業施設や物流倉庫の分散型電源をバーチャルにつなぐVPP(仮想発電所)により、地域全体で電力を融通し合うプラットフォームの実現を目指しています。初期投資ゼロのPPAモデルという経済性とデジタル技術を両立させる同社の仕組みは、これからの時代を生き抜く企業の強力なパートナーとなります。

カーボンプライシング研究の専門家も期待するGXソリューション

日本のカーボンプライシング制度が本格化する中、市場のルールは「CO2を多く排出する企業がコスト負担を強いられる」だけでなく、「CO2を排出しないこと自体がダイレクトに企業価値へつながる」という新しい評価軸へとシフトしています。

企業の脱炭素への姿勢は、投資家からの資金調達や取引先からの選別を左右する、経営上の極めて重要な要素(非価格競争力)としての意味を持ち始めているのです。

この大変革期において、環境経済学やカーボンプライシング研究の第一人者である早稲田大学教授の有村俊秀氏は、株式会社アイ・グリッド・ソリューションズの社外取締役に就任しています。

環境省や経済産業省などの政府委員を歴任し、長年アカデミアの視点から気候変動政策を定量的に分析してきた有村氏が経営に参画している背景には、学術的な知見を単なる理論に留めず、実際の民間ビジネスの現場へ反映させ、日本の脱炭素化を実効的に加速させたいという強い狙いがあります。

カーボンプライシングを専門とする有村氏は、アイ・グリッド・ソリューションズが展開する「全体最適」のGXソリューションに大きな期待を寄せています。

同氏は専門家としてのインタビューにおいて、企業が今後存続するためには「エネルギーマネジメントによる電気の見える化と節約(省エネ)」、そして「再エネへの切り替えや太陽光パネルを用いた創エネ」のステップが極めて有効な選択肢であると言及しています。

アイ・グリッド・ソリューションズが強みとする、AIを駆使して施設間の電力需要の「ズレ」を最適化するシステムや初期投資ゼロのPPAモデルは、まさに環境経済学が理想とする「社会全体で最も効率よく、コストを抑えて排出削減を達成する仕組み」そのものです。

単なる太陽光パネルの販売企業ではなく、専門家の高度な知見を事業戦略のバックボーンに組み込んでいるからこそ、アイ・グリッド・ソリューションズは、これからの炭素価格時代に企業が本当に生き残るための「価値あるGX」を提供し続けることができるのです。

環境経済学における税の仕組みや企業への投資効果の考え方について、有村氏が分かりやすく解説している高校生による有村教授へのインタビュー動画も参考になります。こちらの動画では、炭素税などのカーボンプライシングが企業行動や経済モデルにどのような影響を与えるのかが、専門家の視点から噛み砕いて語られています。

アイ・グリッド・ソリューションズと始める、グリーンエネルギーが循環する未来「GX City®」

株式会社アイ・グリッド・ソリューションズが提唱する「GX City」は、単なる個別企業への再生可能エネルギー導入支援に留まらず、地域や施設、サプライチェーンをデジタル技術でつなぎ、クリーンなエネルギーを地域内で賢く循環させる分散型エネルギー社会の構想です。各拠点の施設屋根に設置された太陽光パネル(創エネ)や蓄電池(蓄エネ)をバーチャルにつなぎ合わせ、AIによる高度な需給予測をもとに余剰電力を必要な場所へリアルタイムに融通し合うことで、エネルギーの地産地消と有効活用を極限まで高めます。

今後、カーボンプライシングの本格導入によってすべての企業にCO2排出量削減のコスト責任が課される中、この「GX City」のような地域一体でのGX推進は、極めて大きな経営価値を持ちます。

一社単独での脱炭素(部分最適)には限界がありますが、地域全体でエネルギーを融通し合う「全体最適」の仕組みに参画することで、企業は初期投資のリスクを抑えながら確実な排出削減を達成できます。化石燃料への依存から脱却し、脱炭素という環境性と「電気代の安定化・炭素コストの削減」という経済性を高い次元で両立させるこの構想は、これからの炭素価格時代において地域産業全体の市場競争力を支える強固なインフラ基盤となります。

AI・IoTで実現する、「R.E.A.L. New Energy Platform®」による全体最適

アイ・グリッド・ソリューションズの「GX City」構想を支えるのが、AI・IoT技術を駆使した次世代再エネプラットフォーム「R.E.A.L. New Energy Platform®」です。本プラットフォームは、各地に点在する太陽光パネル、蓄電池、EV充電設備などをデジタルで統合し、気象や電力使用データから発電量と需要をAIでリアルタイムに高精度予測、複数設備を自動で最適制御することで、再エネの効率的な活用と安定供給を両立させます。

カーボンプライシングの拡大により、企業にはCO2排出量の正確な把握と削減が求められています。R.E.A.L. New Energy Platform®によるデータ駆動型のエネルギーマネジメントは、施設ごとの需給の「ズレ」を自動で全体最適化し、無駄な電力購入や将来的な炭素コストのリスクを最小限に抑えます。

自社で使い切れない余剰電力を他拠点へ融通・循環させる仕組みは、コスト効率の良い実効性の高いCO2削減を可能にし、企業の経済性と環境性を同時に担保します。

アイ・グリッド・ソリューションズのGXソリューションはこちらからご覧ください。

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