日本のエネルギー自給率は?低い理由と上げるための取り組みを解説
日本のエネルギー自給率は2024年度時点で16.4%(速報値)と、主要国の中でも低い水準にあります。その最大の理由は、国内に資源が乏しく、石油や天然ガスなどの化石燃料を海外からの輸入に大きく依存しているためです。
本記事では、エネルギー自給率の基礎知識や最新の世界ランキング、これまでの推移をわかりやすく解説します。
さらに、自給率の低さが招く電気料金の高騰や供給リスクといった課題と、解決策となる再生可能エネルギーの導入など、企業や個人ができる取り組みも紹介します。
エネルギー自給率とは?日本は世界ランキングで何位?エネルギー源や推移を簡単に解説
エネルギー自給率とは、国民生活や経済活動に必要な一次エネルギー(石油、石炭、天然ガス、水力、太陽光など)のうち、自国内で確保できる割合のことです。
エネルギー資源の多くを輸入に頼る日本にとって、エネルギー自給率は国の安定供給を測る重要な指標となります。
【2024年最新】日本のエネルギー自給率は世界で何位?主要国と比較
日本のエネルギー自給率は、世界的に見ても低い水準にとどまっています。資源エネルギー庁のデータによると、2024年度の日本のエネルギー自給率は16.4%(速報値)となっています。これは、OECD(経済協力開発機構)加盟38カ国の中でも最下位クラスに位置しています。
以下の表は、主要国の一次エネルギー自給率を比較したものです。
| 国名 | エネルギー自給率 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| ノルウェー | 805.7% | 豊富な水力発電と化石燃料の輸出 |
| オーストラリア | 321.4% | 石炭や天然ガスなどの資源大国 |
| アメリカ | 113.2% | シェールガス革命により自給率が向上 |
| 日本 | 15.3% | 化石燃料の大部分を海外からの輸入に依存 |
※各国・日本は2023年度(確報)。資源エネルギー庁『日本のエネルギー 2025年度版』より
このように、資源が豊富な国は自給率が100%を超えており、自国で消費する以上のエネルギーを生産して他国へ輸出しています。一方で、日本は必要なエネルギーの大半を海外からの輸入に依存しているのが現状です。
日本のエネルギー自給率を支えるエネルギー源を紹介
現在、日本のエネルギー供給を支えている主なエネルギー源は、石油、石炭、天然ガス(LNG)などの化石燃料です。これらは一次エネルギー供給全体の約8割を占めており、そのほとんどを海外からの輸入に頼っています。
Energy Instituteの「Statistical Review of World Energy 2026」によると、日本の一次エネルギー供給量は、2025年時点で石油6.51EJ、天然ガス3.25EJ、石炭4.36EJとなっています。一方、原子力は1.03EJ、水力は0.27EJ、再生可能エネルギーは1.07EJでした。このEJ(エクサジュール)とは、石油や天然ガスなどのエネルギー量を表す大きな単位のことです。
一方で、国内でまかなえる貴重なエネルギー源として、水力、太陽光、風力、地熱などの再生可能エネルギーや、原子力発電があります。近年は、温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの導入が積極的に進められており、国内のエネルギー源として自給率向上に大きく貢献しています。

2026 | 75th edition Statistical Review of World Energy p24
日本のエネルギー供給を燃料別に比較した表
日本のエネルギー自給率はどう変化した?過去から現在までの推移について
日本のエネルギー自給率は、時代とともに大きく変化してきました。1960年代には国内の石炭や水力発電を中心に利用していたため、自給率は約60%近くありました。しかし、高度経済成長期以降、安価で扱いやすい中東産の石油などへの転換が進み、自給率は急速に低下しました。
またStatistical Review of World Energy 2026のデータによると、1973年の第一次オイルショックと1979年の第二次オイルショックを経て、1980年の原油価格は1970年代初頭の約10倍(インフレ調整後)に達し、世界的にエネルギー供給の不安定化が進みました。
日本もこの影響を受け、石油依存のリスクを痛感し、エネルギー多様化や省エネ技術の開発が進む契機となります。
その後、原子力発電が『準国産エネルギー』として自給率を支え、2010年度の自給率は約20%を維持していました。しかし2011年の東日本大震災を契機に状況は一変し、国内の原子力発電所は順次稼働を停止します。
現在は、再生可能エネルギーの普及拡大や一部の原子力発電所の再稼働により、日本のエネルギー自給率は2024年度に16.4%まで回復しています。今後も安定したエネルギー供給を目指し、国内で確保できるエネルギー源の比率を計画的に高めていくことが求められています。

出典:Energy Institute「Statistical Review of World Energy 2026」p8
日本のエネルギー自給率が低い理由とは?原子力発電との関係も解説
日本のエネルギー自給率が世界的に見ても著しく低い水準にとどまっている背景には、地理的な要因や歴史的な出来事が深く関わっています。ここでは、なぜ日本のエネルギー自給率が低いのか、その主な理由を原子力発電の動向との関係性も交えながら詳しく解説します。
国内にエネルギー資源が少なく、石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料を輸入に依存しているため
日本のエネルギー自給率が低い最大の理由は、国内で採掘できるエネルギー資源が極めて乏しいという地理的条件にあります。
日本は昔から「資源小国」と呼ばれており、発電や産業、人々の生活に欠かせない石油、石炭、天然ガス(LNG)といった化石燃料の大部分を海外からの輸入に頼らざるを得ない状況が続いています。
実際、経済産業省資源エネルギー庁が公表している令和5年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2024)によると、日本の一次エネルギー供給における化石燃料の依存度は高く、そのほとんどを中東地域やオーストラリアなどの海外から輸入しています。自国でエネルギーを賄うことができない構造的な弱さが、自給率の低さに直結しているのです。
東日本大震災以降、原子力発電の稼働停止により化石燃料への依存度が高まったため
日本のエネルギー自給率を語る上で避けて通れないのが、原子力発電の存在です。2011年に発生した東日本大震災以前、日本のエネルギー自給率は約20%を維持していました。
これは、ウラン燃料を一度輸入すれば数年間は国内で発電し続けられる原子力発電が「準国産エネルギー」として位置づけられ、国内の総発電量の約4分の1を担っていたためです。(資源エネルギー庁の「エネルギー動向」)
しかし、震災に伴う福島第一原子力発電所事故を契機に、国内の原子力発電所が順次稼働を停止したことで状況は一変しました。失われたベースロード電源の穴を埋めるために、火力発電の稼働率を大幅に引き上げる必要が生じ、結果として石油や天然ガスなどの化石燃料の輸入量が急増しました。
原子力発電の停止によって化石燃料への依存度がさらに高まったことが、日本のエネルギー自給率を1桁台にまで押し下げる大きな要因となったのです。
また、Statistical Review of World Energy 2026によると、世界のエネルギー消費のうち約22%が純輸入で賄われています(世界銀行の2023年データ)。2025年時点で欧州はガス供給の55%を輸入に依存する一方、米国はシェール革命によって純輸出国に転じるなど、各国の状況は大きく異なります。
こうした中で、日本は資源の乏しさと原子力発電の停滞により、依然として極めて低い自給率にとどまっています。
再生可能エネルギーの導入拡大が進んでいるものの、発電量や導入環境に課題があるため
化石燃料への過度な依存から脱却し、エネルギー自給率を向上させる切り札として期待されているのが、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーです。近年、政府の支援策や企業の積極的な取り組みにより、日本国内でも再生可能エネルギーの導入は着実に進んでいます。
しかし、日本の国土は山林が多く平地が少ないため、大規模な太陽光発電所や陸上風力発電所を建設する適地が限られているという導入環境の課題があります。さらに、再生可能エネルギーは天候や時間帯によって発電量が大きく変動するため、安定した電力供給を維持するための蓄電池の普及や送電網(系統)の整備が不可欠です。
再生可能エネルギーを主力電源として十分に活用するためのインフラ整備や技術的なハードルが残されていることも、自給率が急速に改善しない理由の一つとなっています。
エネルギー自給率が低いと何が問題?日本が抱える5つの課題について
日本のエネルギー自給率の低さは、単に国内の資源が足りないというだけでなく、私たちの生活や日本経済全体に深刻な影響を及ぼす多くの問題をはらんでいます。ここでは、エネルギー自給率が低いことによって引き起こされる5つの主要な課題について詳しく解説します。
国際情勢や為替の影響を受けやすく、エネルギー価格が変動しやすい
日本は石油や石炭、天然ガスといった化石燃料の大部分を海外からの輸入に頼っています。そのため、中東地域の紛争やウクライナ情勢といった地政学的なリスクが発生すると、燃料の調達が困難になったり、国際的な取引価格が急騰したりするリスクを常に抱えています。
また、エネルギー資源は基本的に米ドル建てで取引されるため、急激な円安などの為替変動が起きると、輸入価格が直接的に跳ね上がる構造になっています。海外の動向に左右されやすい脆弱な供給体制は日本の大きな弱点です。
国内の電気料金や企業のエネルギーコストが上昇する
輸入燃料の価格高騰や為替の悪化は、私たちの生活に直結します。日本の電気料金には「燃料費調整制度」が導入されており、発電に使う化石燃料の輸入価格が上がれば、自動的に毎月の電気料金に上乗せされる仕組みになっています。
これにより、一般家庭の家計が圧迫されるだけでなく、大量の電力を消費する製造業やサービス業のエネルギーコストも大幅に上昇します。コストの上昇は最終的に商品やサービスの価格に転嫁されるため、インフレーションを引き起こし、日本全体の消費活動を冷え込ませる原因にもなります。
エネルギー供給の不安定化が企業の事業活動や経済に影響する
エネルギー自給率が低い状態が続くと、万が一海外からの燃料輸入が途絶えたり制限されたりした場合、国内の電力需要を賄いきれなくなる危険性があります。
電力が不足すれば、計画停電や大規模な電力使用制限を実施せざるを得なくなり、工場の稼働停止やサプライチェーンの寸断など、企業の事業活動に甚大な被害をもたらします。
安定したエネルギー供給はすべての経済活動の基盤であり、これが揺らぐことは日本の国際競争力の低下に直結する深刻な問題です。
化石燃料への依存が続くことで、脱炭素や2050年カーボンニュートラルの実現が難しくなる
現在、世界中で地球温暖化対策が急務となっており、日本も環境省が推進する2050年カーボンニュートラルの実現を国際公約として掲げています。しかし、エネルギー自給率が低く、その不足分を二酸化炭素排出量の多い化石燃料による火力発電で補っている現状では、温室効果ガスの削減目標を達成することは非常に困難です。
脱炭素社会の実現に向けて国際的な環境規制が厳しくなる中、化石燃料への過度な依存は企業のESG評価を下げる要因にもなりかねません。
再生可能エネルギーの導入拡大やエネルギーインフラの整備が求められている
これらの課題を解決し、エネルギー自給率を向上させるためには、太陽光や風力といった純国産の再生可能エネルギーを主力電源化していくことが不可欠です。
しかし、再生可能エネルギーは天候や時間帯によって発電量が大きく変動するため、電力を安定して供給するためには大型蓄電池の導入や送配電網の強化が欠かせません。
次世代のエネルギーシステムを構築するためには、中長期的な視点に立った巨額の投資とインフラ整備が急務となっており、国や企業を挙げた迅速な対応が強く求められています。

2026 | 75th edition Statistical Review of World Energy p69
再生可能エネルギー 再生可能電力 総エネルギー供給(水力を除く)
実際、再生可能エネルギーの導入は、世界的に進んでいます。Energy Instituteの「Statistical Review of World Energy 2026」によると、水力を除く再生可能エネルギーの供給量は、2015年の11.67EJから2025年には30.35EJまで増加しました。日本でも、2015年の0.52EJから2025年には1.05EJへと増加していることがわかります。
日本のエネルギー自給率を上げるために個人・企業ができることを紹介
エネルギー自給率の低さによる課題を解決するためには、国や自治体によるインフラ整備だけでなく、私たち一人ひとりの行動や企業の積極的な取り組みが不可欠です。ここでは、日本のエネルギー自給率向上に向けて個人や企業が日常的・継続的に実践できる具体的なアクションを解説します。
【個人】エネルギー自給率の向上につながる取り組み
個人レベルでも、日々の生活習慣を見直すことでエネルギー消費を抑え、自給率の向上に貢献することが可能です。無理なく始められる身近な取り組みを紹介します。
日頃から省エネを意識してエネルギー消費量を減らす
家庭でできる最も基本的な取り組みは、電力やガスの消費量を減らす「省エネ」の実践です。例えば、使っていない部屋の照明をこまめに消す、エアコンの設定温度を夏は28度、冬は20度を目安に調整するなどの工夫が挙げられます。
また、冷蔵庫の設定温度を見直したり、テレビの画面を少し暗くしたりするだけでも、家庭内の消費電力を確実に削減し、化石燃料の輸入依存度を下げることにつながります。
資源エネルギー庁の省エネポータルサイトでも、家庭ですぐに実践できる省エネ術が多数紹介されており、こうした小さな積み重ねが国全体のエネルギー消費抑制に直結します。
環境に配慮した製品やサービスを選ぶ
家電製品を買い替える際に、省エネ性能の高い製品を選ぶことも効果的です。最新の省エネ家電は、10年前の製品と比較して大幅に消費電力が抑えられています。
統一省エネラベルを参考に、星の数が多い製品を選ぶと良いでしょう。また、電力会社を選ぶ際に、太陽光や風力などの再生可能エネルギー由来の電力を積極的に提供しているプランに切り替えることで、社会全体の再生可能エネルギー普及を後押しし、エネルギー自給率の向上に直接貢献できます。
【企業】エネルギー自給率の向上につながる取り組み
企業はエネルギーの消費規模が大きいため、取り組み次第でエネルギー自給率の向上に多大な影響を与えます。ここでは、企業が取り組むべき具体的なアクションを解説します。
太陽光発電などを導入し、自家発電・自家消費を進める
工場の屋根や遊休地に太陽光発電システムを設置し、発電した電力を自社の事業活動で使用する「自家発電・自家消費」は有効な手段です。外部からの電力購入量を減らすことで、エネルギーの外部依存度を下げると同時に、中長期的なエネルギーコストの削減にもつながります。
さらに、災害等による大規模停電時にも事業を継続するためのBCP(事業継続計画)対策としても機能します。
省エネ設備やエネルギーマネジメントシステムを導入して電力使用量を削減する
オフィスや工場の照明をLEDに切り替えたり、高効率な空調設備や生産設備を導入したりすることで、大幅な省エネが期待できます。
さらに、FEMS(工場向けエネルギーマネジメントシステム)やBEMS(ビル向けエネルギーマネジメントシステム)を導入すれば、エネルギーの使用状況をリアルタイムで可視化し、無駄な電力消費を自動的に制御・削減することが可能になります。
蓄電池を活用して再生可能エネルギーの有効利用と電力の安定化を図る
世界的にも、再生可能エネルギーの安定供給を支えるために蓄電池の導入が急速に進んでいます。
Energy Institute「Statistical Review of World Energy 2026」の調査によると、2015〜2025年の10年間で世界の大型蓄電池(BESS)容量は約160倍に増加し、特に中国が全体の約48%を占めるなど、アジア太平洋地域が世界の蓄電市場を牽引しています。日本でも2025年には7,501MWに達し、再エネの有効利用と電力系統の安定化に向けた取り組みが加速しています(下表参照)

出典:Energy Institute「Statistical Review of World Energy 2026 p65」
また、太陽光発電などの再生可能エネルギーは、天候によって発電量が左右されるという課題があります。そこで産業用蓄電池を併せて導入することで、発電量が多い昼間に余った電力を蓄え、夜間や電力需要のピーク時に放電できます。
これにより、再生可能エネルギーを無駄なく最大限に活用し、電力系統の安定化にも寄与できます。
グリーン電力証書や非化石証書などを活用して再生可能エネルギーの利用を進める
自社で再生可能エネルギーの発電設備を導入するのが難しい場合でも、「グリーン電力証書」や「非化石証書」を購入することで、使用する電力を実質的に再生可能エネルギー由来とみなすことができます。
これにより、企業として再生可能エネルギーの普及拡大に資金面で貢献し、間接的に日本のエネルギー自給率向上を支援することが可能です。
従業員の省エネ意識を高め、日常的な省エネ行動を促す
設備投資だけでなく、従業員一人ひとりの意識改革も重要です。クールビズやウォームビズの徹底、昼休み中の消灯、パソコンの省電力モードの活用など、日常的な省エネ行動を社内でルール化し推進します。
社内研修やポスター掲示を通じてエネルギー問題への理解を深めることで、組織全体でエネルギー消費を抑える企業風土を醸成することができます。
企業がエネルギー自給率を上げるために取り組むメリット5選
企業が自社のエネルギー自給率を高める取り組みを行うことは、単なる環境保全にとどまらず、経営面でも非常に大きなメリットをもたらします。
ここでは、企業がエネルギーの自家発電や省エネを推進することで得られる5つの具体的なメリットを詳しく解説します。
電気料金やエネルギーコストの削減につながる
最大のメリットの一つは、中長期的なエネルギーコストの削減です。自家消費型の太陽光発電システムなどを導入することで、電力会社から購入する電力量を直接的に減らすことが可能です。
初期投資は必要になりますが、設備の寿命は長く、ランニングコストを抑えることができます。また、エネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入して無駄な電力消費を可視化し削減することで、毎月の電気料金を大幅に引き下げ、利益率の向上に貢献します。
エネルギー価格の変動や供給リスクへの対策になる
日本のエネルギー供給は海外からの化石燃料輸入に大きく依存しているため、国際情勢や為替相場の変動によって電気料金が急騰するリスクを常に抱えています。
自社で再生可能エネルギーを生み出して消費する体制を整えることは、外部要因によるエネルギー価格の高騰リスクを回避し、安定した事業継続計画(BCP)を強化することに直結します。
万が一の大規模停電時でも、蓄電池と組み合わせることで最低限の事業活動を維持できるため、災害対策としても有効です。
CO2排出量を削減し、脱炭素経営を推進できる
再生可能エネルギーの活用や省エネの徹底は、温室効果ガスの排出削減に直結します。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、企業には主体的な行動が求められています。
化石燃料由来の電力から再生可能エネルギーへ移行することで、企業のCO2排出量を大幅に削減できるため、社会的な要請に応える脱炭素経営を強力に推し進めることが可能になります。
企業価値の向上や取引先・投資家からの評価につながる
近年、環境や社会に配慮したESG投資が世界的な潮流となっています。エネルギー自給率の向上と脱炭素化に積極的に取り組む企業は、環境問題に対して責任を果たす持続可能な企業として、投資家や金融機関から高く評価される傾向があります。
また、サプライチェーン全体での排出量削減を求める大企業が増加しているため、環境配慮への取り組みは、新たな取引先の開拓や既存顧客との関係強化という営業的な強みにもなります。
補助金や優遇税制を活用でき、初期投資の負担を軽減できる
国や自治体は、企業の再生可能エネルギー導入や省エネ設備の更新を強力に後押ししています。自家消費型太陽光発電や高効率空調、蓄電池などの導入に対しては、様々な補助金制度や税制優遇措置が用意されているため、これらを賢く活用することで初期投資の負担を大幅に軽減できます。
資源エネルギー庁や各自治体の省エネ支援策などを定期的に確認し、自社に最適な支援制度を利用することで、費用対効果の高いエネルギー自給率の向上が実現可能です。
日本のエネルギー自給率は今後どうなる?最新の動向と将来の見通しについて
日本のエネルギー自給率は、脱炭素社会の実現とエネルギー安全保障の観点から、今後徐々に改善していくことが見込まれています。
2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、2040年度の電源構成として再生可能エネルギー4〜5割程度、原子力2割程度、火力3〜4割程度という見通しが示され、徹底した省エネと再生可能エネルギーの拡大によってエネルギー自給率を高めていく方針が掲げられています。
出典: 経済産業省「第7次エネルギー基本計画が閣議決定されました」
しかし、この目標を達成するためには、乗り越えなければならない技術的・社会的な課題が数多く存在しています。
再生可能エネルギーの導入拡大が進んでいるものの、天候による発電量の変動や系統制約などの課題がある
将来のエネルギー自給率向上に向けた最大の鍵となるのが、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの主力電源化です。
近年、日本国内でも再エネの導入量は着実に増加していますが、自然条件に依存するため、天候や時間帯によって発電量が大きく変動するという弱点を持っています。
また、発電した電気を消費地へ届けるための送配電網(系統)の容量不足も深刻な問題です。再エネの発電設備を新設しようとしても、送電線に空き容量がないために接続を制限される「系統制約」が各地で発生しています。
今後は、広域的な送配電ネットワークの増強や次世代化に向けた巨額の投資とインフラ整備が不可欠となります。
企業による再生可能エネルギーの導入や省エネの取り組みも重要になる
国や電力会社だけでなく、エネルギーを大量に消費する企業自身の行動も、今後の自給率を左右する重要な要素です。
近年では、企業が自社の敷地内や遠隔地に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を長期にわたって購入するコーポレートPPA(電力購入契約)などの仕組みが普及しつつあります。
企業が主体となって再生可能エネルギーの発電設備を増やすことは、国内全体のエネルギー自給率を押し上げる直接的な力となります。実際に世界的にも再生可能エネルギーの導入が進んでいます。

こちらの表では世界のエネルギー供給の主役がこの60年間で大きく変化してきたことが示されています。1960〜70年代は石油が世界のエネルギー供給増加の61%を占めていましたが、オイルショック以降は石油の伸びが急減し、1996〜2005年には中国の急成長により石炭が主役となりました。
さらに2006〜2015年には米国のシェール革命で天然ガスが増加の中心となり、2016〜2025年には再生可能エネルギー(含む水力)が世界のエネルギー供給増加の30%を占めるまでに成長しています。2025年には、再生可能エネルギーが石炭・石油・ガスのいずれをも上回る最大の新規供給源となりました。景気後退期(2008年・2020年)を除けば、今世紀に入って初めてのことです。(Statistical Review of World Energy 2026 p12)
さらに、AIやIoT技術を活用した高度なエネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入し、事業活動における電力消費を極限まで抑える徹底した省エネの取り組みも、エネルギーの海外依存度を下げるために欠かせない動きです。
Energy Instituteの「Statistical Review of World Energy 2026」によると、2025年は太陽光発電が記録的に増加し、クリーン電力が世界の電力需要の増加分をほぼすべて賄ったことで、化石燃料による発電量は横ばいとなりました(下図参照)
このような世界的な潮流に合わせて、日本でもAIやIoTを活用したエネルギーマネジメント技術の導入が進めば、再生可能エネルギーの効率的な利用と電力消費の最適化が可能となり、エネルギー自給率の向上に大きく寄与すると考えられます。

Energy Institute Statistical Review of World Energy 2026 p62
年間の発電量の変化(TWh)
エネルギーの「つくる・ためる・使う」を効率化し、持続可能なエネルギー利用を進めることが求められる
将来に向けてエネルギー自給率を安定的に高めていくためには、単に発電所を増やすだけでなく、エネルギーシステム全体を最適化する必要があります。その中核となるのが、大型蓄電池の導入や電気自動車(EV)のバッテリーを活用したエネルギーの「ためる」技術の進化です。
電力が余っている時間帯に蓄電し、不足する時間帯に放電することで、再生可能エネルギーの無駄をなくし、電力需給のバランスを安定させることができます。また、地域に分散する小規模な発電設備や蓄電池をデジタル技術で統合制御し、あたかも一つの発電所のように機能させるVPP(仮想発電所)の構築も進んでいます。
今後は、こうした「つくる・ためる・使う」を賢く連携させることで、外部環境に左右されにくい強靭で持続可能なエネルギー供給体制を築いていくことが強く求められています。
GX事業は「全体最適」の時代へ!アイ・グリッド・ソリューションズが描く未来のGXソリューション

島国であり、エネルギー資源の多くを海外からの輸入に依存している日本において、エネルギー自給率の向上は、国家の経済安全保障や持続可能な企業活動を支える極めて重要な経営課題となっています。
近年の国際情勢の不安定化や燃料価格の高騰は、国内の電力供給や電気料金に大きな影響を及ぼしており、従来の化石燃料頼みの構造から脱却することが急務となっています。 このような背景の中、単一の企業や施設単位での省エネにとどまらず、太陽光発電などの再生可能エネルギーを地域全体で有効活用し、エネルギー自給率を高めていくGX(グリーントランスフォーメーション)の取り組みが注目されています。
株式会社アイ・グリッド・ソリューションズは、地域や複数企業が連携してエネルギーを効率的に循環させる「全体最適」のGXソリューションを展開しています。再生可能エネルギーの地産地消を進めることで、エネルギー自給率の向上と脱炭素社会の実現を強力にサポートしています。
アイ・グリッド・ソリューションズと始める、グリーンエネルギーが循環する未来「GX City®」

エネルギー自給率の向上を目指す上で大きなカギを握るのが、地域内でクリーンなエネルギーを循環させる仕組みづくりです。化石燃料の輸入リスクを減らし、レジリエンスの高い社会を築くためには、地域にある資源を最大限に活かしたエネルギーの自給自足が求められます。
株式会社アイ・グリッド・ソリューションズが推進する「GX City®」は、施設の屋根上などに設置した太陽光発電などの再生可能エネルギーを地域や施設単位で効率的に活用し、エネルギー自給率を高めるGXソリューションです。
エネルギーを地域内で無駄なく循環させることで、環境負荷の低減と自立した経済圏の構築を目指しています。 さらに、地域や企業が一体となり、エネルギーの「つくる・ためる・使う」を最適に連携させる「全体最適」の視点を取り入れることで、エネルギー自給率の向上と持続可能な街づくりの両立を実現しています。
AI・IoTで実現する、「R.E.A.L. New Energy Platform®」による全体最適

エネルギー自給率を効果的に高めていくためには、再生可能エネルギーの不安定な発電量を補いながら、需要と供給のバランスをリアルタイムで精密にコントロールする高度な技術が不可欠です。
株式会社アイ・グリッド・ソリューションズが提供する「R.E.A.L. New Energy Platform®」は、AIやIoTを駆使して、太陽光発電の発電状況や蓄電池・EVの運用、施設ごとの電力需要をリアルタイムで収集・統合管理するエネルギープラットフォームです。
電力需給の状況に応じてエネルギーの制御を最適化することで、再生可能エネルギーのポテンシャルを最大限に引き出し、地域や施設のエネルギー自給率向上に大きく貢献します。
エネルギーの「つくる・ためる・使う」を一体的に管理・最適化するこのプラットフォームは、日本のエネルギー自給率を高め、脱炭素でレジリエンスな未来社会を支える強力な基盤となっています。
アイ・グリッド・ソリューションズのGXソリューションはこちらからご覧ください。
