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SAFとは?持続可能な航空燃料の種類や作り方、メリット・デメリットを簡単に解説

近年、航空業界の脱炭素化に向けて「SAF(持続可能な航空燃料)」が大きな注目を集めています。SAFとは、廃食油やバイオマスなどを原料とし、従来の化石燃料と比べてライフサイクル全体でCO2排出量を大幅に削減できる次世代の燃料です。

本記事では、SAFの基本的な仕組みをはじめ、具体的な製造方法や原料の種類、導入におけるメリット・デメリットまでを初心者にもわかりやすく解説します。さらに、日本国内や世界での最新の取り組み動向も紹介します。

SAF(持続可能な航空燃料)とは?読み方や原料の種類、従来の航空燃料との違いや現状を簡単に解説

SAFとは「Sustainable Aviation Fuel」の頭文字をとった言葉で、「サフ」と読み、日本語では「持続可能な航空燃料」と呼ばれます。化石燃料に代わる新しい航空燃料として、世界中で導入が進められています。従来の原油から精製されるジェット燃料とは異なり、動植物に由来するバイオマスや廃食油、都市ごみなどを原料として製造されるのが特徴です。

SAFの種類|バイオマス由来の原料・合成燃料

SAFは、その製造に用いられる原料によって大きく「バイオマス由来の燃料」と「合成燃料」に分けられます。私たちの日常生活から出る廃棄物もSAFの重要な原料として活用されています。

SAFの種類 主な原料の例 特徴
バイオマス由来 廃食油(使用済みの天ぷら油など)、サトウキビ、トウモロコシ、木質バイオマス 植物が成長過程でCO2を吸収するため、燃焼時のCO2排出を実質的に相殺できる。
廃棄物由来 都市ごみ、廃プラスチック、農業・林業残渣 本来捨てられるはずの廃棄物を有効活用し、循環型社会の形成に大きく貢献する。
合成燃料(e-fuel) 再生可能エネルギー由来の水素、二酸化炭素(CO2) 再生可能エネルギーを用いて製造した水素と、工場などから回収したCO2を合成して製造される。

従来の航空燃料との違い

従来の航空燃料(ケロシンなどの化石燃料)とSAFの最も大きな違いは、ライフサイクル全体(原料の収集から製造、燃焼まで)におけるCO2排出量の大幅な削減効果にあります。従来の燃料は地中から採掘した原油を燃やすため、大気中のCO2を一方的に増加させます。

しかしSAFは、植物が吸収したCO2や回収したCO2を再利用するため、大気中のCO2を実質的に増やしません。資源エネルギー庁の解説によれば、従来の航空燃料と比較して、SAFはライフサイクル全体でCO2排出量を約80%削減できるとされています。

また、SAFは従来の航空燃料と化学的な性質がほぼ同じであるため、「ドロップイン燃料」として既存の航空機のエンジンや空港の給油インフラをそのまま利用できる点も大きな違いであり、スムーズな導入につながっています。

航空機のCO2排出量の現状

航空業界におけるCO2排出量の削減は、地球温暖化対策において急務となっています。資源エネルギー庁の解説によると、航空機からのCO2排出量は世界の全排出量の約2%を占めており、国際的な人の移動や物流の増加に伴って、今後も排出量が増加することが懸念されています。

自動車のように電気や水素を用いた電動化への移行が進む分野とは異なり、長距離を飛行する大型航空機をバッテリー駆動にすることは重量や技術的な制約から現時点では非常に困難です。そのため、液体燃料でありながら脱炭素化に貢献できるSAFの導入が、航空業界におけるCO2削減の「切り札」として国際民間航空機関(ICAO)をはじめとする世界各国で強く推進されているのが現状です。

SAF燃料はどうやって作る?SAFの主な製造方法を解説

SAF(持続可能な航空燃料)は、従来の化石燃料に代わる新しい航空燃料として注目を集めていますが、その製造方法は一つではありません。現在、国際的な品質規格であるASTM規格(ASTM D7566)において、複数の製造プロセスが承認されています。ここでは、代表的で実用化が進んでいる3つの主な製造方法について、それぞれの特徴や原料の違いを初心者にもわかりやすく解説します。

それぞれの製造方法は原料や技術的なアプローチが大きく異なるため、資源エネルギー庁の解説などでも、各地域の特性や確保できる資源に応じた多様な製造技術の確立が重要視されています。

製造方法の名称 主な原料 技術の概要 実用化の状況
HEFA-SPK 廃食油、動植物油脂 油脂に水素を添加して脱酸素化し、精製する 現在最も商業化が進んでおり、流通量が多い
ATJ-SPK サトウキビ、トウモロコシ、木質バイオマスなど アルコール(エタノール等)を触媒反応でジェット燃料に合成する 実証段階から商業生産への移行期にある
FT-SPK 都市ごみ、廃プラスチック、木材など 原料をガス化し、一酸化炭素と水素から液体燃料を合成する 多様な原料を使えるため、今後の拡大が期待される

HEFA-SPK:油脂原料に水素を加えて精製し、航空燃料を製造する方法

HEFA(Hydroprocessed Esters and Fatty Acids)は、現在世界で生産されているSAFの大部分を占める最も主流な製造方法です。主な原料として、飲食店や家庭から出る廃食油(てんぷら油など)や、微細藻類から抽出した油、動物性油脂などが使用されます。

製造工程としては、集めた油脂原料に対して水素を添加する「水素化処理」を行い、酸素を取り除きます。その後、分子の構造を整える精製処理を行うことで、従来のジェット燃料と同等の性質を持つ液体燃料を作り出します。

すでに技術として確立されており、製造コストが比較的低いことが特徴ですが、世界中で廃食油の争奪戦が起きており、原料の安定確保が今後の課題となっています。

ATJ-SPK(アルコール合成パラフィン):エタノールなどのアルコールを原料として航空燃料へ転換する製造方法

ATJ(Alcohol to Jet)は、植物由来のエタノールやイソブタノールなどのアルコールを化学反応させて航空燃料を作り出す技術です。原料には、サトウキビやトウモロコシといった糖質・デンプン質のほか、将来的には農業残渣や木質バイオマスを発酵させて作ったアルコールも利用されます。

このプロセスでは、アルコールから水分を抜き取る脱水反応や、分子をつなぎ合わせる重合反応などを経て、ジェット燃料に適した炭化水素を合成します。アルコールを製造する技術はすでにバイオエタノールとして広く普及しているため、そのインフラや知見を活かせるのが大きな強みです。現在、実証プラントでの生産から本格的な商業生産へとステップアップしている段階です。

FT-SPK(FT合成):木材や廃棄物、廃プラスチックなどをガス化し、再合成して液体燃料を製造する方法

FT(Fischer-Tropsch)合成は、都市ごみや廃プラスチック、木材チップなど、そのままでは燃料にしにくい多様な固形物を原料にできる非常に画期的な製造方法です。

まず、これらの原料を高温で蒸し焼きのようにして「ガス化」し、一酸化炭素と水素の混合ガス(合成ガス)を作ります。次に、特殊な触媒を使ってこのガスを化学反応させ、液体の炭化水素燃料へと再合成します。

国土交通省が推進する航空分野の脱炭素化においても、廃棄物やバイオマスなどを原料とするSAFの重要性が示されており、FT合成のような燃料製造技術への期待が高まっています。一方で、ガス化や合成のプロセスに高度な技術と大規模な設備投資が必要となるため、コスト削減と生産効率の向上が実用化に向けた鍵となっています。

SAFはどうやって航空機燃料になる?製造から供給までの流れを紹介

SAF(持続可能な航空燃料)がどのようにして製造され、航空機に供給されるのか、そのサプライチェーンの全体像を解説します。原料の調達から航空機への給油まで、多くの企業やインフラが連携して成り立っています。ここでは、代表的な原料である廃食用油を用いた製造・供給の流れを段階ごとに紹介します。

廃食用油を回収:飲食店や工場などから食用油を回収し、SAFの原料として再利用する

最初のステップは、原料となる廃食用油の回収です。ファミリーレストランなどの飲食店、食品工場、さらには一般家庭から排出される使用済みの食用油を回収業者が集めます。

日本国内では日揮ホールディングスなどが参加するプロジェクトを通じて、廃食用油をSAFの原料として再利用する取り組みが広がっています。特に家庭からの回収には自治体の協力が不可欠であり、回収ボックスの設置などが進められています。

収集拠点へ集約:廃食用油を原料収集拠点へ運び、効率よく管理・保管する

各地で回収された廃食用油は、一旦原料収集拠点へと運ばれます。ここで品質の確認や計量が行われ、製造工場へ送るための準備が整えられます。効率的な物流ネットワークを構築することが、SAFの安定的な製造には欠かせません。不純物が多く含まれている場合は、この段階である程度の分別が行われることもあります。

原料を貯蔵・SAFを製造:集めた原料から不純物を取り除き、化学処理や精製を行う

集約された廃食用油はSAF製造プラントへ運ばれ、まずは水分や微細なゴミを取り除く前処理が行われます。その後、水素化処理などの化学反応を用いて精製し、純度の高いSAF(ニートSAF)を製造します。

資源エネルギー庁の資料によれば、国内でも複数の企業が大規模なSAF製造プラントの稼働に向けて動いており、国産SAFの生産体制構築が急ピッチで進められています。

SAFを作成する:製造したSAFを従来の航空燃料と混合する

製造された純度100%のニートSAFは、そのままでは航空機に使用することができません。安全基準を満たすため、既存の化石燃料由来のジェット燃料(ケロシン)と一定の割合でブレンドされます。

この混合工程を経て、初めて国際規格に適合した「SAF(混合SAF)」が完成します。現在、安全上の理由からニートSAFの混合上限は最大50%と定められています。

SAFを保管する:完成したSAFを空港内の貯油施設へ運び、航空機への供給に向けて保管する

ブレンドが完了したSAFは、パイプラインやタンクローリー、内航船などを用いて空港へと輸送されます。空港に到着した燃料は、空港内に設置されている貯油施設(タンク)に保管され、航空機への給油のタイミングを待ちます。既存のジェット燃料のインフラをそのまま活用できるのがSAFの大きな利点です。

航空会社へ供給:SAFを航空会社へ供給し、実際の航空機燃料として使用する

最後に、レフューラー(給油車両)やハイドラントシステム(地下配管)を通じて、駐機している航空機へとSAFが給油されます。国土交通省の官民協議会でも議論されているように、供給側であるENEOSなどの石油元売り事業者と利用側である航空会社が連携し、円滑な供給体制を構築することが重要視されています。

ここで、SAFの製造から供給までのサプライチェーンの全体像を分かりやすく表にまとめます。

工程 主な作業内容 関連する事業者・施設
1. 原料回収 飲食店や家庭から廃食用油を回収 回収業者、飲食店、一般家庭、自治体
2. 集約・管理 回収した油を拠点に集め、品質管理と保管を行う 原料収集拠点、物流業者
3. 製造・精製 不純物を除去し、化学処理によってニートSAFを製造 SAF製造プラント、燃料メーカー
4. 混合(ブレンド) 従来のジェット燃料と規定の割合で混ぜ合わせる 製油所、油槽所
5. 輸送・保管 完成したSAFを空港へ運び、貯油施設で保管する タンクローリー、内航船、空港貯油施設
6. 航空機へ供給 給油車両などを使い、航空機へ燃料を給油する 給油事業者、石油元売り事業者、航空会社

なぜSAFが注目されている?CO2削減や循環型社会を支える嬉しいメリット4選

航空業界における脱炭素化の切り札として、SAF(持続可能な航空燃料)への期待が世界中で急速に高まっています。ここでは、なぜSAFがこれほどまでに注目を集めているのか、その理由と導入によってもたらされる4つの大きなメリットを詳しく解説します。

ライフサイクル全体でCO2排出量を削減できる

SAFを導入する最大のメリットは、従来の化石燃料と比較して、温室効果ガスの排出を大幅に削減できる点にあります。資源エネルギー庁の解説によると、原料の収集・生産から製造、燃焼までのライフサイクル全体を通じたCO2排出量を、従来の航空燃料に比べて約80%も削減することが可能です。

航空機が飛行して燃料を燃焼する際にCO2を排出すること自体は従来と変わりませんが、原料となる植物やバイオマスが成長過程で大気中のCO2を吸収しているため、実質的なCO2排出量を大幅に抑える「カーボンニュートラル」の実現に大きく貢献します。

既存の航空機やインフラを活用したまま導入できる

新しい次世代エネルギーを導入する際、通常は機材の変更や給油設備の改修に莫大なコストと時間がかかります。しかし、SAFは従来のジェット燃料(ケロシン)と化学的性質がほぼ同じであるため、既存の航空機のエンジンや空港の給油インフラを全く改造することなく、そのまま利用できる(ドロップイン可能)という非常に大きな利点があります。

これにより、航空会社や空港運営者は大規模な設備投資のリスクを抑えつつ、すぐにでも脱炭素化に向けた具体的な取り組みを進めることができます。

廃食油や国内資源を有効活用できる

SAFの原料には、これまで廃棄されていたさまざまな資源が活用されます。特に日本では、家庭や飲食店から排出される廃食油(使用済みの天ぷら油など)や、都市ごみ、木質バイオマスなどが重要な原料として注目されています。

本来であれば捨てられるはずの廃棄物を価値あるエネルギーとして再利用することで、無駄のない循環型社会(サーキュラーエコノミー)の構築に直結するのが嬉しいメリットです。

主なSAF原料 資源有効活用の特徴とメリット
廃食油 飲食店や家庭から回収。既存の回収ルートを活用でき、高いCO2削減効果が見込める。
都市ごみ・廃プラスチック 焼却処分されていたごみを燃料化することで、自治体の廃棄物処理の負担軽減にもつながる。
木質バイオマス 林地残材や間伐材を利用することで、放置林の整備が進み、国内林業の活性化にも寄与する。

新たな産業やビジネス創出につながる可能性がある

SAFの需要は今後世界的に急増すると予測されており、日本国内でも国産SAFのサプライチェーン構築が急務となっています。原料の収集ネットワークの構築から、高度な精製・製造施設の建設、輸送、空港での供給に至るまで、幅広い分野で新たなビジネスチャンスが生まれ、雇用創出や地域経済の活性化につながると強く期待されています。

また、エネルギー資源の多くを海外からの輸入に依存している日本において、国内の未利用資源を活用して航空燃料を国産化することは、将来的なエネルギー安全保障の観点からも非常に重要な意味を持っています。

SAF燃料のデメリットとは?普及に向けた課題や問題点を解説

SAF(持続可能な航空燃料)は、航空業界の脱炭素化に向けた切り札として期待されていますが、本格的な普及に向けてはいくつかの乗り越えるべき課題が存在します。ここでは、SAFが抱える主なデメリットや問題点について詳しく解説します。

課題・デメリット 具体的な問題点
製造コスト 従来の航空燃料と比較して製造費用が非常に高く、価格競争力に欠ける
生産量不足 世界的な需要の急増に対し、製造設備や供給体制が追いついていない
原料の確保 廃食油などの限られた資源をめぐり、他産業や他国との争奪戦が起きている

製造するのにコストがかかってしまう

SAFの最も大きなデメリットとして挙げられるのが、従来の航空燃料と比べて製造コストが非常に高いことです。資源エネルギー庁の解説によれば、従来の航空燃料が1リットルあたり約100円であるのに対し、SAFは1リットルあたり200円から1,600円程度かかるとされています。

このように価格が高騰してしまう背景には、原油から精製する従来の燃料よりも製造工程に手間がかかることや、新しい製造技術を確立するための初期投資が膨大であることが挙げられます。

SAFを社会全体に普及させるためには、大量生産による規模の経済を働かせ、原料調達から製造、供給に至るサプライチェーン全体で可能な限りコストを抑えていく努力が不可欠です。

生産量が不足してしまう

次に深刻な課題となっているのが、世界的な需要の急拡大に対して圧倒的に生産量が不足しているという現状です。国際民間航空機関(ICAO)などが掲げるカーボンニュートラル目標の達成に向けて、世界中の航空会社がSAFの導入を進めていますが、現在の供給量は世界のジェット燃料消費量のごくわずかな割合を占めるにとどまっています。

GX基本方針では、2030年までに国内の航空会社が使用する燃料の10%をSAFに置き換えるという目標が掲げられていますが、現状の生産体制のままでは必要な量を確保することが困難視されています。

製造プラントの建設や新たなインフラ整備には長い時間と多額の資金が必要となるため、官民が一体となって国産SAFの生産規模を拡大していくことが急務となっています。

原料の確保と資源利用の優先順位が難しい

SAFを安定的に生産するためには、原料となる廃食油やバイオマス資源の継続的な確保が欠かせません。しかし、限られた資源をめぐって他国や他の産業との激しい争奪戦が起きているという問題があります。

特に、現在のSAF製造の主流となっている廃食油は、海外のエネルギー企業が高値で買い付けるケースが増加しており、日本国内で発生した廃食油が海外へ流出してしまう懸念が高まっています。

さらに、資源利用の優先順位も複雑な課題です。例えば、木材や農業残渣、都市ごみなどのバイオマス資源は、発電や他の化学製品の原料としても需要があります。

どの産業にどれだけの資源を割り当てるべきかというバランス調整が難しく、持続可能性を担保しながらSAF用の原料を確保するためのルール作りや、微細藻類や二酸化炭素を用いた合成燃料といった次世代の原料開発が強く求められています。

世界や日本で進むSAFへの取り組み|政策・燃料製造会社・企業・航空会社の動向

航空業界における脱炭素化の切り札として、世界各国や日本国内でSAF(持続可能な航空燃料)の導入に向けた動きが加速しています。ここでは、各国の政策や制度、燃料メーカーや航空会社の最新の動向について詳しく解説します。

世界のSAF導入動向|各国で進む脱炭素化への取り組み

世界では、温室効果ガス(GHG)の削減目標達成に向けて、SAFの導入を義務化したり、強力な支援策を打ち出したりする国が増えています。特に欧米では、政策的な後押しによりSAFの市場形成が急速に進んでいます。

例えば、欧州連合(EU)では域内の空港を出発する航空機に対して、段階的にSAFの混合比率を引き上げることを義務付けています。具体的には、2030年に5%、2050年には63%まで引き上げる野心的な目標を掲げています。

米国でも、2030年までに年間30億ガロンのSAFを生産し、航空燃料の10%をSAFに置き換える「SAFグランドチャレンジ」という目標を設定し、インフレ抑制法(IRA)による税額控除などの大規模なインセンティブを提供しています。

国・地域 主な政策・目標
欧州(EU) 域内空港でのSAF混合を義務化(2030年に5%、2050年に63%など段階的引き上げ)
米国 2030年までに航空燃料の10%をSAF化、インフレ抑制法(IRA)による税額控除
ノルウェー 航空会社に対してSAFの混合を義務付け(2030年に30%目標)

日本の政策・制度|エネルギー供給構造高度化法やSAF官民協議会の設立

日本国内でも、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、政府主導でSAFの普及に向けた制度設計が進められています。国土交通省と経済産業省は共同で「SAF官民協議会」を設立し、国産SAFの製造・供給や流通に関する専門的な議論を行っています。この協議会では、サプライチェーンの構築や国際的な品質基準への適合など、実用化に向けた具体的な課題解決が図られています。

また、政府は2030年までに本邦エアラインによる燃料使用量の10%をSAFへ置き換える目標を掲げています。さらに、資源エネルギー庁によれば、エネルギー供給構造高度化法に基づき、国内で生産・供給されるジェット燃料の温室効果ガス排出量の5%相当量以上をSAFで代替する目標も設定される予定です。なお、10%は燃料使用量ベース、5%は温室効果ガス排出量ベースの目標であり、それぞれ基準が異なります。

燃料メーカー・製造会社の取り組み|国産SAFの生産体制づくり

日本のエネルギー企業や燃料メーカーも、国産SAFの商用化と安定供給に向けて本格的な生産体制の構築に乗り出しています。廃食油やバイオエタノールなど、多様な原料を用いた製造プロジェクトが全国各地で進行中です。

例えば、ENEOSは和歌山県の製造拠点を活用し、国内外から調達した廃食油などを原料として、2026年頃から大規模なSAF製造を開始する計画を進めています。出光興産も千葉県の事業所において、バイオエタノールを原料としたSAFの生産体制構築を目指しています。また、日揮ホールディングスはコスモ石油やレボインターナショナルと共同で、国内の廃食油を収集してSAFを製造するサプライチェーンの構築に取り組んでいます。

さらに、航空会社であるANA(全日本空輸)やJAL(日本航空)も参画し、業界の垣根を越えて国産SAFの普及を目指す有志団体「ACT FOR SKY」が設立されるなど、利用側と供給側が一体となった取り組みが活発化しています。

GX事業は「全体最適」の時代へ!アイ・グリッドが描く水素×再エネ活用モデル

 

SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)は、航空業界の脱炭素化を実現するための重要な選択肢として注目されています。しかし、カーボンニュートラルの実現には航空分野だけでなく、電力や産業、地域社会全体でエネルギーの脱炭素化を進めることが欠かせません。

再生可能エネルギーの導入拡大や効率的なエネルギー利用を推進し、社会全体で温室効果ガス排出量の削減に取り組むことが求められています。これからのGX(グリーントランスフォーメーション)では、個々の施設や事業単位での取り組みに加え、地域全体でエネルギーを最適活用する「全体最適」の視点が重要です。

アイ・グリッド・ソリューションズと始める、グリーンエネルギーが循環する未来「GX City®」

株式会社アイ・グリッド・ソリューションズは、再生可能エネルギーが地域内で循環する「GX City」の実現を推進しています。GX Cityでは、太陽光発電などによって生み出されたクリーンエネルギーを地域内で効率的に利用し、余剰電力を必要な場所へ融通することでエネルギーの有効活用を図ります。

こうした仕組みは、化石燃料への依存を減らし、社会全体の脱炭素化を支える基盤となります。航空業界におけるSAFの活用と同様に、さまざまな分野で再生可能エネルギーを活用する取り組みがGX推進の鍵を握っています。

AI・IoTで実現する、「R.E.A.L. New Energy Platform®」による全体最適

GX Cityを支えるのが、アイ・グリッド・ソリューションズの「R.E.A.L. New Energy Platform」です。AIやIoTを活用し、再生可能エネルギーの発電量や電力需要をリアルタイムで分析・制御することで、エネルギーの最適な利用を実現します。

天候による発電量の変動や施設ごとの消費状況を踏まえてエネルギーを効率的に配分することで、再生可能エネルギーの利用拡大と安定供給を両立します。こうした全体最適なエネルギーマネジメントは、SAFをはじめとするさまざまな脱炭素技術とともに、持続可能な社会の実現を支える重要な役割を果たしています。

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