株式会社ジョイフル本田さま
【流通小売】

GXで唯一無二の業態へ 再エネで地域とつながる

 気候変動への対応は全世界が取り組むべき喫緊の課題となっており、企業としてはあらゆるステークホルダーから脱炭素経営が求められています。そのため、化石燃料由来のエネルギー消費からグリーンエネルギーへの転換により、脱炭素化と合わせて企業活動を変革、成長に繋げるGXの推進が重要となっています。
 アイ・グリッドは2022年5月に株式会社ジョイフル本田様と業務提携(GX Management ※)を締結し、新たな企業価値を創出するべく共同でGXを推進しています。今回は株式会社ジョイフル本田の執行役員 管理本部長 兼 経営管理部長 大内 健司さまに、業務提携のきっかけや今後の構想についてお話を伺いました。

お話を伺った方

株式会社ジョイフル本田  執行役員 管理本部長 兼 経営管理部長 大内健司 さま

企業紹介

ジョイフル本田様は茨城県・千葉県・埼玉県・東京都・群馬県などの関東圏にホームセンター事業を展開されている企業です。生活雑貨から園芸・農業用品、レジャー用品、DIY商品などに加え、資材のサイズ加工や機器メンテナンスサービスまで多岐に渡る商品・サービスを取り扱っています。ジョイフル本田様の一番の特徴は東京ドーム1個から5個分の広大な敷地を使った超大型店舗です。その事業領域と敷地の広さを生かし、お客様のニーズにワンストップでお応えしております。
ミッションとして「『必要必在』と『生活提案』で地域社会の喜びと夢を共創する」ことを掲げ、地域の皆様の喜ぶ顔や夢の実現を願いながら、商品やサービスを選択し、また同時にブラッシュアップし続けています。

導入サービス
  • 太陽光オンサイトPPA

カーボンニュートラルは 地域に貢献できる新しい取り組み

大内氏:

 取り組みの背景としては、当社ミッションである「『必要必在』と『生活提案』で地域社会の喜びと夢を共創する」に掲げている通りなのですが、普段から、地域の皆様がより安心できる、便利になる、快適に感じる、楽しくなる、ワクワクする、などを追求して商品やサービスを見直し続けていることがあります。もとから当社にはこうした下地がありましたので、「地域のカーボンニュートラルを推進しよう」と話があがったときはまったく違和感がなく、むしろ地域に貢献できる新しい取り組みになるという感覚でした。

ただ、アイ・グリッドさんからいただいた提案で、“将来的には店舗で発電し、消費しきれない再エネ電力は地域のお客様へ供給できるようになる”ということは想像したことがありませんでした。そして、当社のブランドコンセプトの一つである「ライフラインズ※」で想定している自然災害の発生時、たとえば何日間も続く停電時などに、BCP拠点として地域貢献を果たせることが目に浮かんで期待が高まりました。最初はそうした緊急時の電力対応から始めることになると思いますが、将来的には平常時でも、家庭で使う再エネをジョイフル本田から購入する、という全く新しい生活様式を提案できる可能性があると思います。


広大なニューポートひたちなか店

温室効果ガス排出量の削減目標に向けて ロードマップ策定や排出量の算定を実施

大内氏:

 いまは定期的にアイ・グリッドさんとGX推進のための打合せをさせていただいています。打合せでは脱炭素化に向けてロードマップの策定や温室効果ガス排出量の算定をしており、2030年の温室効果ガス排出量51%削減目標や2050年のカーボンニュートラルへと歩みを進めています。ロードマップを策定するためには、現時点でのエネルギー使用状況を把握する必要がありましたので、店舗や施設での詳細な設備情報を共同で整理しました。その結果から対策別にCO2排出削減量やイニシャルコスト、ランニングコストを試算し、どの店舗、設備から順番に投資をしていくことが効果的か考えています。いまはScope3も含めたサプライチェーン全体のCO2排出量の算定を共同で行っていて、仕入・販売データや資産台帳データ、廃棄データなどお渡しして試算していただいている状況です。
特に東証プライム上場企業はTCFD提言と同等の非財務情報開示や対応が求められていることもあり、非常に重要なプロジェクトとして取り組んでいます。

また、GX提携後の変化でいうと、プロジェクトはまだ始まったばかりですが、日経新聞や茨城新聞などメディアへ露出する機会が増えました。当社の中期経営計画にも織り込み、将来像の一面を分かりやすくステークホルダーの皆さまに伝えられるようになりました。投資家説明会ではESG、SDGsの説明をするときにGXをメインテーマとして話せるようになりましたし、社内でもESG、SDGsに対する会社の考え方や施策の一つとして社員に届きやすくなってきています。

停電時に超大型店舗が 地域のライフラインとなることを認識

取材を進める中、2019年の千葉県大規模停電が、「ライフラインズ」の役割やBCP対策の重要性を改めて認識させた出来事だったと伺いました。

大内氏:

 あの時は、停電の他にも道路が分断された影響で1週間以上も流通網が止まった状態でした。そのため、被害にあった地域にあるスーパーやドラッグストアの商品が無くなってしまったのです。一方で当社は超大型店舗を展開しておりますから、陳列している商品が多いだけでなく、バックヤードも充実しています。そのため、地域の備蓄庫としての役割が果たせると改めて認識させられた出来事でした。
当時は現場スタッフの頑張りで営業を継続し、地域の非常用備蓄庫としての役割を果たし、住民の皆様から大変な感謝をいただきました。長期の停電により、店内は暗くてお客様にご入店いただける状況ではなく、入口でスタッフがお客様のご要望をお聞きし、店内から商品を集めてきてお渡しするという形でした。
なぜここまで熱意を持ってできるのかというと、何故でしょうね。昔からですが、お客様の困り事を解決したり要望に応えたりしたいという使命感があり、特別な時ほど頑張る人が多いです。ジョイフル本田に根付くアイデンティティです。

アイ・グリッドとのGX提携 決め手は「地域貢献」と「唯一無二の店舗づくり」

大内氏:

 千葉県での大規模停電を踏まえ、「ライフラインズ」や災害発生時に地域貢献ができることについて、大きな期待を持ったことがGX提携の決め手です。加えて、他社との差別化という観点においては、GXの構想やGX Store※というコンセプトはぴったりでした。ホームセンターという業態自体、年数がかなり経過しておりまして、役割を一巡し、市場が伸びづらくなっています。業界全体も同質化してきている中で、他のホームセンターが行っていないような、唯一無二の業態を作りたかったためです。既に取り扱っている商品、売り方、並べ方、サービスの仕方は、あえて他のホームセンターとは違うやり方を取っています。そこにGXのお話をいただいて、そんな取り組みをしている企業は他に無いので興味を抱きました。

アイ・グリッドが提案する次世代店舗のコンセプト。
太陽光発電システム、大型蓄電池システム、グリーンEV充電等の導入によって、再エネ100%の店舗運営、レジリエンス強化、地域モビリティのゼロエミッション推進を実現します。

現場スタッフも GXの取り組みに好意的

大内氏:

 現場のスタッフもSDGsやGXの取り組みに関して非常に好意的に受け取ってくれています。本来ならば私がもっと説明しなければならないのですが、いつの間にか各チームが主体的に動いて勉強してくれています。そうなってくると、当社として次に導入したいのはアイ・グリッドさんのエネルギーマネジメントシステム『R.E.A.L E-Nudge※』です。もともと協力的である従業員に対して、適切な省エネアドバイスで行動変容を促して、さらなる脱炭素化を進めていきたいです。風土が整っている会社なので、順調に進めば脱炭素にまた一歩近づくと思っています。

今後はGX Storeを実現し、 平常時も緊急時も地域にとって不可欠な店舗へ

大内氏:

 少し先の話をさせていただくと、各県で数店舗ずつ『GX Store』を実現したいと思っています。当社のブランドコンセプトである「ライフラインズ」の柱として、防災用品などと同じように緊急時の電力対応はぜひとも実現させたいことの一つです。GX Storeとして、非常用の防災用品などと一緒に電気も供給できたら、地域の皆様にとって、平時はもちろん、緊急時も無くてはならない店舗になると考えています。
今後の展開という点では、店舗近隣の住民の方々と更に繋がっていく方法を考えたいです。何かあったときにはジョイフル本田に来てもらうような関係性を作りたいです。

補足説明
GX Management

アイ・グリッドによるGX推進のためのコンサルティングサービス。企業が脱炭素化を通じた変革、成長を図るGXを推進するために、温室効果ガス排出量(Scope1・2・3)の可視化からカーボンニュートラルに向けた中長期的な削減計画策定・実行支援、そしてステークホルダーへの発信・情報開示支援まで統合的に支援します。

ライフラインズ

ジョイフル本田さまのブランドコンセプト「3つの競争優位分野」の1つ。日常時と緊急時のどちらでも必要な商品を提供できることを意味しています。

R.E.A.L E-Nudge

アイ・グリッドのエネルギーマネジメントシステム。電力ビッグデータを元にAIがその日の電力使用量を予測し、各事業所に合わせた省エネ行動をアドバイスすることで従業員の行動変容を促し、電力使用量を最適化します。R.E.A.L E-Nudgeは、2026年3月31日をもって、サービスを終了しています。

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