【2026年最新】化石燃料とは?特徴やリスクをわかりやすく簡単に解説!
日本は発電エネルギーの大部分を石炭やLNG(液化天然ガス)などの「化石燃料」に頼っており、その原油の約9割を中東から輸入しています。本記事では、そもそも化石燃料とは何なのかや、どのような影響を及ぼすのかなど、改めて化石燃料の基礎知識を整理するとともに、最新の国際情勢が日本のエネルギー安全保障にどのような影を落としているのか、分かりやすく解説します。
2026年中東危機:ホルムズ海峡と日本のリスク
2026年3月、イラン・イスラエル情勢の緊迫化により、世界のエネルギー供給網は未曾有の危機にさらされています。今、私たちが直視すべきは以下の3点です。
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日本経済への影響: 日本は原油の9割以上を中東から輸入しており、そのうち7割超がイランに面する要衝のホルムズ海峡を経由しています。輸送の停滞が長引けば、エネルギー供給が物理的に断たれることになります。
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エネルギー価格の高騰: 供給不安から原油価格(WTI)が高騰すれば、数ヶ月のタイムラグを経て「燃料費調整制度」により、家庭や企業の電気代がさらに跳ね上がます。さらにガソリン価格や物流コストなどが上昇してインフレが加速する恐れがあります。
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脱・化石燃料の加速: これまで「環境保護(脱炭素)」の文脈で語られることが多かった再生可能エネルギーへの転換は、今や「地政学リスクから国を守るための安全保障」へとその意味合いを大きく変えています。 特定の国や地域に依存し続ける化石燃料のリスクが露呈した今、エネルギー安定供給(セキュリティ)と脱炭素化は時に相反するものでしたが、「脱炭素化がエネルギー安全保障を向上させる」という認識となっていくかもしれません。
化石燃料とは?
化石燃料とは、石油や天然ガス、石炭といった地下に埋まっている燃料資源のことです。そもそも「燃料」とは、熱や光、動力などのエネルギーを得るために燃焼させる材料のこと。自動車を走らせるためのガソリン、エアコンで風を送るための電気なども、すべて燃料です。 燃料にはさまざまなものがありますが、石油や天然ガス、石炭が化石燃料と呼ばれるのには、燃料になるまでの過程が関係しています。 化石燃料は、もともと数百万年以上も前に存在していた植物や生物、プランクトンなどの死骸でした。これらが海底に溜まり、微生物によって分解された後、土や水などの強い力で押さえつけられ、地熱で温められているうちに燃えやすい成分に変化したのです。長い年月をかけ、植物は石炭に、生物やプランクトンなどの死骸は石油や天然ガスになりました。 アンモナイトや恐竜などの化石もまた、同じ過程を経ていることから、地下に埋まっている燃料資源を化石燃料と呼ぶようになりました。化石燃料は火力発電所や家庭用ガスエネルギーの燃料、さらにガソリンや灯油を作る原料になるので、私たちの生活に欠かせない資源です。
化石燃料を使うことによるリスクや問題点

化石燃料を使うことには、さまざまなリスクや問題点があります。ここのまま化石燃料に頼り続けるとどうなるのか、最新の情勢を踏まえて解説します。
1. 国際情勢に左右される「エネルギー供給の脆弱性」
日本国内で化石燃料は採取できないため、中東やアメリカ、ロシア、中国など多く取れる地域からの輸入に頼らざるを得ません。供給元の国や地域で紛争が起きるなど、国際情勢によっては価格が激しく変動するので、なにか問題が発生したとき、価格高騰や供給不足に陥る恐れがあります。
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ウクライナ侵攻の影響(継続するリスク): 2022年のロシアによるウクライナ侵攻は、世界の天然ガス市場に激震走らせました。ロシアは世界第2位の天然ガス生産国であり、欧州諸国がロシア産依存からの脱却を図ったことで、世界中で天然ガスの争奪戦が勃発。日本でも電気・ガス料金の記録的な値上がりを経験しました。
参照:都市ガス料金さらに値上げ~ロシア影響で加速|一般社団法人 プロパンガス料金消費者協会
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【2026年最新】中東情勢と「ホルムズ海峡」のリスク: 現在、最も注視されているのがイラン情勢の緊迫化に伴う「ホルムズ海峡の封鎖リスク」です。日本は原油の9割以上を中東から輸入しており、そのうち7割超がこの海峡を経由しています。 海上交通が停滞すれば、エネルギー供給が物理的に断たれる事態となりかねません。国内には約254日分の石油備蓄があるものの、供給不安から原油価格(WTI)が高騰すれば、数ヶ月のタイムラグを経て「燃料費調整制度」により、私たちの電気代や物価はさらに跳ね上がることになります。
参考:燃料費調整額(燃調費)とは?なぜ高いのか仕組みをわかりやすく解説!
燃料資源の有限性と「地政学的な依存」
化石燃料は私たちの生活に欠かせない資源ですが、無限に存在するわけではありません。化石燃料は、もともと大昔に存在していた植物やプランクトンなどが、長い年月を経て変化したものです。すぐに作ることはできないので、このまま使い続けるといずれは無くなってしまいます。Energy Institute (旧BP統計)によると、 2025年末時点で確認されている石油の埋蔵量は、可採年数にすると約54年分、天然ガスは約50年分だといわれています。つまり、何の対策も行わないまま使い続ければ、2070年頃には石油や天然ガスが枯渇する恐れがあります。
そこで、新たに注目されているのが「再生可能エネルギー」です。太陽や風、地熱などの自然の力を利用する再生可能エネルギーは、無くなる心配がありません。地球温暖化対策としても有効的なので、日本では再生可能エネルギーを利用する取り組みが行われています。 また、「資源がなくなるから再エネへ」という文脈は、今や「地政学リスクから国を守るため」へと変わろうとしています。太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、輸入に頼る必要がない「純国産エネルギー」です。中東情勢やロシア情勢に左右されない安定した社会を作るため、化石燃料依存からの脱却は急務となっています。
参照:第2節 一次エネルギーの動向|経済産業省 資源エネルギー庁
3.地球温暖化と「脱炭素社会」への国際的責任
化石燃料を燃やすと大量の二酸化炭素が排出されます。二酸化炭素は、地球温暖化を促進させる温室効果ガスの一種です。 このまま何の対策も行わず二酸化炭素を排出し続ければ、地球温暖化が加速し、陸地が減ったり気候変動が起きたり、さまざまな影響を及ぼします。地球温暖化を防ぐためには、いかに化石燃料の使用を抑えられるかがポイントです。
また、パリ協定において日本が掲げた温室効果ガス削減・抑制目標は、「2050年カーボンニュートラル」です。2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにし、脱炭素社会の実現を目指すことを意味しますが、このまま火力発電に依存し続けるとこの目標を達成するのも難しくなるでしょう。
参照:結果概要 【2021年12月分】|経済産業省 資源エネルギー庁
日本の化石燃料に関する現状や課題
日本はエネルギー資源が極めて少ない国です。2023年度(速報値)の日本の一次エネルギー(※)自給率は、わずか15.3%。各家庭や事業者に電力を安定して供給するためには、依然として他国からの輸入に頼らざるを得ない状況が続いています。
中でも依存度が高いのは、石油や石炭、天然ガス(LNG)といった化石燃料です。現在、日本国内で使用される電気の約7割は、火力発電によって生み出されています。火力発電は化石燃料を燃やし、そのエネルギーを電力へと変換する仕組みです。つまり、現代の日本にとって化石燃料は未だ不可欠な存在だといえます。
特に、東日本大震災以降は原子力発電所の稼働が停止し、火力発電量が増えたことで、化石燃料への依存度は一時的に極めて高くなりました。現在、日本の原油輸入先は中東地域が全体の約94%を占めています。
しかし、2026年3月現在、イラン・イスラエル間の緊張など中東地域は情勢が極めて不安定であり、エネルギー安全保障上のリスクが顕在化しています。ホルムズ海峡の封鎖リスクなど、輸送網に問題が発生すれば、家庭や事業者への電力供給が物理的に滞る可能性も否定できません。
さらに、化石燃料は地球環境においても悪影響をもたらす存在です。化石燃料を燃やすと大量の二酸化炭素が発生します。車を動かすためのガソリン、電化製品を使用するための電気などのエネルギー消費量が多くなるほど、地球温暖化を促進させてしまうのです。そのため、日本政府は「2050年カーボンニュートラル」を掲げ、化石燃料依存からの脱却と再生可能エネルギーの導入を加速させています。
※一次エネルギー:自然界にあるエネルギー(石油、天然ガス、石炭、原子力、太陽光、風力など)
参照:日本のエネルギー 2025年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」|経済産業省 資源エネルギー庁
化石燃料に頼りすぎず安心な暮らしをするためにできること

化石燃料に頼りすぎると、生活に影響が出たり、地球温暖化を深刻化させたりする恐れがあります。今の暮らしを守るために自分たちができることや、個人でもできる身近な対策を2つ紹介します。
自然エネルギー(再生可能エネルギー)を利用する
太陽光や風力、水力など再生可能な自然エネルギーを積極的に利用しましょう。自然エネルギーは、自然界にあるものを利用して作られているため、有限の化石燃料とは違い、枯渇することがありません。また、エネルギー資源が乏しい日本でも生産が可能なので、海外からの輸入に頼らずに済みます。中東情勢などの影響による価格変動のリスクを抑えられるという大きなメリットがあります。
さらに、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量が少なく、環境にやさしい点もメリットのひとつです。地球温暖化を防ぐためには温室効果ガスの削減が鍵となるため、自然エネルギーは非常に有効な手段といえるでしょう。
家庭でできる具体的な利用法としては、太陽光パネルの設置や家庭用蓄電池の導入、V2H(電気自動車から家への給電システム)、省エネ家電への買い換えなどがあります。初期コストはかかりますが、導入後は高騰する電気代を削減できたり、蓄えた電気が非常用電源になったりと、家計と安心の両面に恩恵が期待できます。
エネルギー消費を抑えることも重要
化石燃料は、いずれ無くなる資源です。枯渇しつつある資源を大切に、有効的に使う意識をもつことも重要です。インフレが続く中、日々の生活でできる節電の取り組みには、以下のようなものがあります。
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エアコンの設定温度を夏は28℃、冬は20℃を目安にする
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使わない照明はこまめに消す
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ペットボトルや古紙などはリサイクルに回す
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水は出しっぱなしにせず節水を心がける
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車よりも電車やバスなどの公共交通機関を利用する
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近場への移動は徒歩、または自転車を利用する
また、マイバッグやマイ箸などの持参も有効的です。レジ袋や割り箸などのゴミを減らすことは、ゴミの収集・焼却時に発生するエネルギー消費を抑えることにつながります。
一人ひとりがエネルギーを大切に使うことを心がけることで、光熱費負担を軽減し、地球温暖化の加速をストップさせられる可能性が高まります。
まとめ
化石燃料は、私たちの生活や経済活動に欠かせない重要な資源です。特に、日本で使用される電気の約7割は火力発電が占めており、燃料の供給不足や価格高騰は、家計だけでなく企業の経営にも多大な影響を及ぼします。
しかし、2026年現在の緊迫した中東情勢が示す通り、化石燃料に依存し続ける構造は、地政学的な供給リスクやエネルギーコストの不安定化を招きます。また、資源の枯渇や地球温暖化の進行は、将来的に私たちの社会の持続可能性を揺るがす深刻な問題です。
今の安定した暮らしと事業活動を維持するためには、個人と企業が一体となって意識を変えていくことが不可欠です。
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個人では: 身近な節電や省エネ家電への買い換え、太陽光発電の活用など、自分たちができる対策から積極的に取り入れること。
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企業では: 脱炭素経営を推進し、PPAモデルを活用した再生可能エネルギーへの切り替えや、エネルギー効率の最適化を図ることで、エネルギーコストの上昇に強い経営基盤を構築すること。
一人ひとりの工夫と、企業の戦略的なエネルギーシフトが合わされば、化石燃料に過度に依存する社会を変え、リスクを回避できる可能性が高まります。持続可能な未来に向けて、今できることからアクションを起こしていきましょう。
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