【流通小売】
小売企業として率先した地域脱炭素化への取り組み
~施設屋根活用による太陽光発電~
バロー様は岐阜県を代表する流通小売企業で、スーパーを中核にホームセンターやドラッグストア、スポーツクラブなど地域の多様なニーズに応える事業を幅広く展開しており、グループ全体で50社、1313店舗(第一四半期IRより)まで拡大していらっしゃいます。2017年より当社の太陽光オンサイトPPAサービス『R.E.A.L. Solar Power』を導入いただいており、2021年8月に国内で初めて余剰循環スキーム※を導入いただきました。
2022年にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明されており、気候変動を経営課題としてとらえ、「地球環境」を持続可能なビジネス成長を支える 3つの重点領域のひとつに位置づけ 、CO2 排出削減に取り組まれております。
今回は『R.E.A.L. Solar Power』を導入した経緯や成果などを、グループ会社であるバローマックス 執行役員の番様にお伺いしました。
お話を伺った方
株式会社バローマックス 執行役員 番直人 さま
- 導入サービス
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- 太陽光オンサイトPPA

- 太陽光オンサイトPPA
PPAを導入される前に抱えていらっしゃった課題は何ですか?
番氏:
もともと自社所有の建物に関しては、自己所有の自家消費型で屋根上太陽光発電を行っていました。一方で借地に関しては、そこで太陽光発電を自己所有した場合の投資回収期間や借地期間のバランスを鑑みた結果、PPAを導入する方針にしました。
その時点では、アイ・グリッドさんはいくつかお付き合いのある会社の1社でしたが、アイ・グリッドの担当者とお話をするなかで、解約フリープラン※を考えていただき、他社との比較の結果、アイ・グリッドのオンサイトPPAを導入することに決めました。地主さんから土地を借りている契約期間に縛られているため、その期間を超えてオンサイト PPA契約をするのはなかなか難しかったのですが、途中で解約しても違約金がかからないのは非常に魅力的でした。
これで、スーパーマーケットについてはクリアになったのですが、ホームセンターでの発電ではもう一つ課題がありました。
ホームセンターでの発電の課題とはどのようなものでしょうか?
番氏:
スーパーマーケットに関しては冷蔵・冷凍ケースがあり、力量が多いため、太陽光で発電した電力を全部使い切ることができます。一方で、ホームセンターのような消費電力量が多くないお店に関しては屋根の上に太陽光を載せるのを躊躇していました。発電した分は余らせてはいけないので、FITで全て売るか、自社で全て使わなくてはなりませんから。
FITについては売電価格が低下しており、投資回収が難しかったです。自家消費をしようと思うと、発電量が消費量を超えないようにするためにせっかくの屋根スペースを活用しきれず、小規模にしか設置できません。そのうえ、自家消費分を超えてしまうと逆潮流が発生してしまい、電力の安定供給に支障をきたす恐れがあります。一度自己投資で行った際も発電しすぎてパワコンが停止してしまったこともありました。
そこにアイ・グリッドさんの余剰循環スキームのオンサイトPPAを導入すると、発電容量と消費電力のバランスを気にせずに発電できます。自家消費しきれず、余る時間帯に関しては一般のお客様のご使用場所へ太陽光で発電した余剰電力を流してくれるので、バローとしても魅力的でした。発電量と消費電力のバランスを考えなくてよくなったことによって、屋根をいっぱいに使って発電することができるようになったので、太陽光の自家消費率が上がり、例えば瑞浪中央店では約7割の消費電力が太陽光で賄えています。

スーパーマーケット バロー 養老店
余剰循環スキームを導入される際の決め手は何かあったのでしょうか?
番氏:
FITでの売電価格が落ちているなかで、例えばホームセンターの屋根全体にパネルを置いて、余った電力は自己託送のような形でどこかに流せないかというお話は実は何度かさせていただきました。しかし、自己託送の託送料がまだ高く、なかなか難しいねという結論になっていました。バローにおいては、フルで太陽光発電が一番使える状態にして、余剰に関しては我々で自己託送するのではなく、アイ・グリッドさんが他の一般のお客さんを含めて系統に流すというスキームの方が取り組みやすく、スピード感があったので、それが決め手になっていますね。
逆に導入にあたって懸念等は何かございましたでしょうか?
番氏:
最初に聞くと、多分どこの会社もそうなのですが、 「どこかに嘘がないかな」というのはありました。良いこ としか書いてないので。一瞬話を聞くと、「そんなよう なことでアイ・グリッドさんの投資回収は合うの?」と。 何回か話をしているうちに考え方はいたってシンプルで、 投資した金額を、販売する電力で回収するという話でし た。不動産で言えば、建物を建てて人に貸して、家賃収入で投資回収を行うというもの。言うなれば、不動産の投資と似たスキームで、考え方がすごいシンプルだったっていうのが分かりやすいですね。最初パッと聞くと、「え?費用かからないの?」と怪しさ満載なのですが、内容を正しくこちらも勉強するとビジネスモデルとして成り立っていることが理解できました。また、アイ・グリッド担当者の提案のレスポンスが非常に早く、色々とすぐ準備をしていただき進めやすかったです。

スーパーマーケット バロー 塩尻店
導入後に感じたメリットや変化などがあれば教えてください。
番氏:
まずは、圧倒的にコストが抑えられている点ですね。このご時世で燃料調整単価や再エネ賦課金、そもそも電力会社の電気代がどんどん高騰している中では特にメリットを感じます。
当時、導入のタイミングではここまで電気代が上がるとは考えておらず、もしかしたら逆に損をするのではないかということも考えていましたが、今に比べて為替の影響もそれほど受けてない時期であり、資材もこれほど高騰していなかったので、早く導入したお店に関してはものすごい削減効果が今出ています。
2つ目は、工場等での遮熱効果です。思った以上に遮熱効果がありまして、中部フーズや食品工場等は毎年すごく暑くなるんです。それが、太陽光パネルを置くことで工場が全然暑くなりません。働いている従業員の皆さんにも涼しくなったと言っていただけたので、これは非常にうれしいですね。以前はサウナのようなところだったのが、導入後は全然暑くなくなりました。空調効率的なところでも効果があります。
太陽光発電を使ったEV車の導入などは検討されていますか?
番氏:
具体的な話は出ていないのですが、例えば、社用車をEVにしたり、工場のフォークリフト全部を EV 化したりする等、アイデアでは話し合っています。走行距離的な課題はあるのですが、アイ・グリッドさんにつけていただいた太陽光の余剰で充電するとか、電気自動車に溜まった電力を災害時に店舗に持っていき、逆に流してBCP対策をする等の議論はしているところです。EVチャージャーの導入に関してはアイ・グリッドさんと実証実験も準備中です。

アイ・グリッドの太陽光発電を使ったEVチャージャー
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明されているようですが、これからの環境に対する取り組みについて、構想などがあれば教えてください。
番氏:
東証プライム市場では、TCFDや気候変動に関する規制や枠組みがどんどん強化・義務化される中で、炭素税を含めたCO2問題に関わる部分は責任を持って取り組んでいきたいと思っています。
その中での課題は、太陽光もある程度設置しており、2019年比で2030年までに温室効果ガスを40%削減するという目標を立てた中で、関連企業・取引先(SCOPE3)までをどのような形で巻き込んでいくかという点です。まず、バロー単体でも40%削減と言うところがそもそも高い目標ではあるんですけどね。太陽光に限らず、販売ロス、食品ロスの削減を通じて、ロスを処理するためのCO2を削減することなども含めて色々考えています。

上場企業に対して、気候変動関連リスク等に関する開示が推奨されている
企業価値向上に向けて何か考えられていることはありますか?
番氏:
今挙げたTCFDへの賛同表明や環境に対する取り組みもそうなのですが、ベースには企業精神があると思います。バローの企業精神に「創造・先取り・挑戦」という三つの項目があります。小売企業が取り組むべきことに関しては、率先して引っ張って、先行して進めていくという企業理念です。誰か行っていることを真似するのではなく、新しいことにどんどんチャレンジしていこうということです。率先して行うことで、新たに気付くこともありますし、他の企業さんから相談を受けることも多かったりします。新たな情報も入ってきやすくなりますしね。
最後にこれを読んでいらっしゃるかたにメッセージをお願い致します。
番氏:
企業理念にあるとおり「創造・先取り・挑戦」という形で、今後も流通小売業の中で率先して先導を取りながら企業を拡大できればなと思っています。既成概念に捉われず、どんどん挑戦していきたいと思っておりますので、面白いお話や興味のある方はぜひご連絡いただけたらと思っております。
- 補足説明
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- 余剰循環スキーム
オンサイトで太陽光発電をする際は一般的に、自施設で消費するか、売電する(FIT:固定価格買取制度)という選択肢があります。自施設で消費する場合、電力消費量が比較的少ない施設や平日休日の差が激しい施設などは、太陽光電力を施設内で全て消費しきれないため、屋根面積に対して導入可能な太陽光容量が小規模となり、経済合理性が成立しないという課題がありました。
余剰循環モデルでは、消費しきれない太陽光余剰電力をアイ・グリッドが需給調整を行い他電力利用者に供給する事によって、ホームセンター、物流センター等の様々な施設で自家消費太陽光導入量を最大化する事が可能となります。
本スキームでは、FITを利用しないため、国内における脱 FIT の持続可能な再生可能エネルギー普及を後押しするスキームとなります。
- 解約フリープラン
予期せず移転や退店が発生した場合に、中途解約においても違約金が発生しないプランです。ただし適用には諸条件がありますので、詳細はお問い合わせください。